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02月25日-06号

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  1. 神奈川県議会 2019-02-25
    02月25日-06号


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    最終取得日: 2023-05-16
    平成31年 第一回 定例会 △《本会議録-平成31年第1回-20190225-028444-諸事項-出席議員等・議事日程-》        平成31年第1回神奈川県議会定例会会議録第6号〇平成31年2月25日 午前10時30分開議   ───────────────────────────────────────〇本日の出席議員 議長共98名       出 席 議 員                       綱   嶋   洋   一                       お ざ わ   良   央                       武   田       翔                       田   村   ゆうすけ                       米   村   和   彦                       中   村   武   人                       木 佐 木   忠   晶                       君   嶋   ち か 子                       古   賀   照   基                       高   橋   延   幸                       西   村   く に こ                       田   中   信   次                       川   崎   修   平                       神   倉   寛   明                       石   川       巧                       芥   川       薫                       川   本       学                       市   川   和   広                       山   本       哲                       い と う   康   宏                       斉   藤   た か み                       赤   野   た か し                       京   島   け い こ                       大   山   奈 々 子                       藤   井   克   彦                       佐 々 木   ゆ み こ                       石   川   裕   憲                       楠       梨 恵 子                       谷   口   かずふみ                       亀   井   たかつぐ                       新   堀   史   明                       瀬   戸   良   雄                       田   中   徳 一 郎                       山   口   貴   裕                       藤   代   ゆ う や                       渡   辺   紀   之                       原       聡   祐                       高   橋   栄 一 郎                       あ ら い   絹   世                       浦   道   健   一                       青   山   圭   一                       岸   部       都                       加   藤   な を 子                       井   坂   新   哉                       飯   田       満                       と う ま   明   男                       佐 々 木   正   行                       髙   橋       稔                       守   屋   てるひこ                       柳   下       剛                       細   谷   政   幸                       河   本   文   雄                       加   藤   元   弥                       内   田   み ほ こ                       長   田   進   治                       国   松       誠                       作   山   友   祐                       松   本       清                       てらさき    雄   介                       長   友   よしひろ                       北   井   宏   昭                       菅   原   直   敏                       杉   山   信   雄                       渡   辺   ひ と し                       小 野 寺   慎 一 郎                       赤   井   かずのり                       杉   本       透                       し き だ   博   昭                       小   島   健   一                       梅   沢   裕   之                       嶋   村   た だ し                       桐   生   秀   昭                       森       正   明                       土   井   りゅうすけ                       山   口   ゆ う 子                       た き た   孝   徳                       近   藤   大   輔                       曽 我 部   久 美 子                       馬   場   学   郎                       中   村   省   司                       相   原   高   広                       藤   井   深   介                       小   川   久 仁 子                       持   田   文   男                       竹   内   英   明                       国   吉   一   夫                       松   田   良   昭                       鈴   木   ひ で し                       いそもと    桂 太 郎                       牧   島       功                       堀   江   則   之                       久 保 寺   邦   夫                       松   崎       淳                       高   谷       清                       茅   野       誠                       はかりや    珠   江                       齋   藤   健   夫                       大   村   博   信       欠 席 議 員                       池   田   東 一 郎                       日   下   景   子       説明のための出席者         知事            黒   岩   祐   治         副知事           中   島   正   信         同             浅   羽   義   里         同             首   藤   健   治         理事            山   口   健 太 郎         同             田   代   良   一         政策局長          楯   岡   信   一         総務局長          武   井   政   二         くらし安全防災局長     河   原   知   德         国際文化観光局長兼         拉致問題担当局長      河   合   宏   一         スポーツ局長        平   田   良   徳         環境農政局長        玉   木   真   人         福祉子どもみらい局長    香   川   智 佳 子         健康医療局長兼未病担当局長 市   川   喜 久 江         産業労働局長        髙   澤   幸   夫         県土整備局長        鈴   木   祥   一         会計管理者兼会計局長    小   野       淳         ヘルスケア・ニュー         フロンティア推進統括官   金   井   信   高         労務担当局長        大 久 保   雅   一         マグカル担当局長兼         広報戦略担当局長      木   口   真   治         医務監           中   澤   よ う 子         エネルギー担当局長     花   上   光   郎         教育委員会教育長      桐   谷   次   郎         同  教育局長       田   中   和   久         同  県立高校改革担当局長 久   我       肇         教育監           折   笠   初   雄         警察本部長         古   谷   洋   一         警察本部総務部長      小   田   康   行         人事委員会事務局長     川   合       充         監査事務局長        小   宮   重   寿         労働委員会事務局長     出   口   満   美         公営企業管理者企業庁長   大   竹   准   一         企業庁企業局長       長 谷 川   幹   男   ───────────────────────────────────────       議会局出席者         議会局長          和   泉   雅   幸         議会局副局長兼総務課長   谷   川   純   一         同  議事課長       霜   尾   克   彦         同  政策調査課長     田   中   一   朗   ───────────────────────────────────────            平成31年第1回神奈川県議会定例会議事日程第6号                            平成31年2月25日午前10時30分開議第1 定県第 1 号議案 平成31年度神奈川県一般会計予算   定県第 2 号議案 同  年度神奈川県市町村自治振興事業会計予算   定県第 3 号議案 同  年度神奈川県公債管理特別会計予算   定県第 4 号議案 同  年度神奈川県公営競技収益配分金等管理会計予算   定県第 5 号議案 同  年度神奈川県地方消費税清算会計予算   定県第 6 号議案 同  年度神奈川県災害救助基金会計予算   定県第 7 号議案 同  年度神奈川県恩賜記念林業振興資金会計予算   定県第 8 号議案 同  年度神奈川県林業改善資金会計予算   定県第 9 号議案 同  年度神奈川県水源環境保全・再生事業会計予算   定県第 10 号議案 同  年度神奈川県沿岸漁業改善資金会計予算   定県第 11 号議案 同  年度神奈川県介護保険財政安定化基金会計予算   定県第 12 号議案 同  年度神奈川県母子父子寡婦福祉資金会計予算   定県第 13 号議案 同  年度神奈川県国民健康保険事業会計予算   定県第 14 号議案 同  年度地方独立行政法人神奈川県立病院機構資金会計予算   定県第 15 号議案 同  年度神奈川県中小企業資金会計予算   定県第 16 号議案 同  年度神奈川県流域下水道事業会計予算   定県第 17 号議案 同  年度神奈川県県営住宅管理事業会計予算   定県第 18 号議案 同  年度神奈川県水道事業会計予算   定県第 19 号議案 同  年度神奈川県電気事業会計予算   定県第 20 号議案 同  年度神奈川県公営企業資金等運用事業会計予算   定県第 21 号議案 同  年度神奈川県相模川総合開発共同事業会計予算   定県第 22 号議案 同  年度神奈川県酒匂川総合開発事業会計予算   定県第 23 号議案 神奈川県自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例   定県第 24 号議案 神奈川県動物保護センター建設基金条例を廃止する条例   定県第 25 号議案 神奈川県立公文書館条例等の一部を改正する条例   定県第 26 号議案 事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例   定県第 27 号議案 神奈川県職員定数条例の一部を改正する条例   定県第 28 号議案 神奈川県行政機関設置条例の一部を改正する条例   定県第 29 号議案 職員の勤務時間、休暇等に関する条例及び学校職員の勤務時間、休暇等に関する条例の一部を改正する条例   定県第 30 号議案 地方教育行政の組織及び運営に関する法律第23条第1項の規定に基づく職務権限の特例に関する条例の一部を改正する条例   定県第 31 号議案 特別会計の設置に関する条例の一部を改正する条例   定県第 32 号議案 収入証紙に関する条例の一部を改正する条例   定県第 33 号議案 神奈川県手数料条例の一部を改正する条例   定県第 34 号議案 神奈川県県税条例の一部を改正する条例   定県第 35 号議案 企業の立地の促進に係る不動産取得税の税率の特例に関する条例の一部を改正する条例   定県第 36 号議案 神奈川県文化芸術振興条例の一部を改正する条例   定県第 37 号議案 神奈川県立相模湖漕艇場条例の一部を改正する条例   定県第 38 号議案 神奈川県立体育センター及び神奈川県立西湘地区体育センターに関する条例の一部を改正する条例   定県第 39 号議案 神奈川県生活環境の保全等に関する条例の一部を改正する条例   定県第 40 号議案 神奈川県公共的施設における受動喫煙防止条例の一部を改正する条例   定県第 41 号議案 神奈川県動物の愛護及び管理に関する条例の一部を改正する条例   定県第 42 号議案 神奈川県が設置する専用水道の水道技術管理者の資格を定める条例の一部を改正する条例   定県第 43 号議案 神奈川県県営上水道条例の一部を改正する条例   定県第 44 号議案 神奈川県立の高等学校等の設置に関する条例の一部を改正する条例   定県第 45 号議案 市町村立学校職員定数条例の一部を改正する条例   定県第 46 号議案 警察組織に関する条例の一部を改正する条例   定県第 47 号議案 建設事業等に対する市町負担金について   定県第 48 号議案 包括外部監査契約の締結について   定県第 49 号議案 公立大学法人神奈川県立保健福祉大学の徴収する料金の上限の変更の認可について   定県第 50 号議案 地方独立行政法人神奈川県立産業技術総合研究所の徴収する料金の上限の変更の認可について第2 定県第 157号議案 平成30年度神奈川県一般会計補正予算(第6号)   定県第 158号議案 同  年度神奈川県市町村自治振興事業会計補正予算(第1号)   定県第 159号議案 同  年度神奈川県公債管理特別会計補正予算(第1号)   定県第 160号議案 同  年度神奈川県地方消費税清算会計補正予算(第1号)   定県第 161号議案 同  年度神奈川県災害救助基金会計補正予算(第1号)   定県第 162号議案 同  年度神奈川県農業改良資金会計補正予算(第1号)   定県第 163号議案 同  年度神奈川県恩賜記念林業振興資金会計補正予算(第1号)   定県第 164号議案 同  年度神奈川県水源環境保全・再生事業会計補正予算(第2号)   定県第 165号議案 同  年度神奈川県介護保険財政安定化基金会計補正予算(第1号)   定県第 166号議案 同  年度神奈川県母子父子寡婦福祉資金会計補正予算(第1号)   定県第 167号議案 同  年度神奈川県国民健康保険事業会計補正予算(第1号)   定県第 168号議案 同  年度地方独立行政法人神奈川県立病院機構資金会計補正予算(第1号)   定県第 169号議案 同  年度神奈川県中小企業資金会計補正予算(第1号)   定県第 170号議案 同  年度神奈川県流域下水道事業会計補正予算(第1号)   定県第 171号議案 同  年度神奈川県県営住宅管理事業会計補正予算(第1号)   定県第 172号議案 地方税法第37条の2第1項第4号に掲げる寄附金を受け入れる特定非営利活動法人等を定める条例の一部を改正する条例   定県第 173号議案 介護保険法施行条例の一部を改正する条例   定県第 174号議案 介護医療院の人員、施設及び設備並びに運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例   定県第 175号議案 工事請負契約の締結について(浦賀警察署新築工事(建築)請負契約)   定県第 176号議案 建設事業等に対する市町負担金について   定県第 177号議案 訴訟の提起について   定県第 178号議案 平成30年度神奈川県一般会計補正予算(第7号)   定県第 179号議案 同  年度神奈川県流域下水道事業会計補正予算(第2号)   定県第 180号議案 建設事業に対する市町負担金について   県報第5号 専決処分について承認を求めること(平成30年度神奈川県一般会計補正予算(第5号))   県報第6号 専決処分について承認を求めること(平成30年度神奈川県水源環境保全・再生事業会計補正予算(第1号))   県報第7号 専決処分について承認を求めること(平成30年度神奈川県水道事業会計補正予算(第2号))   ─────────────────────────────────────── △《本会議録-平成31年第1回-20190225-028445-質問・答弁-田中信次議員-一般質問①県職員の人材確保対策について②基地返還と跡地利用に向けた考え方について③風しんの流行に伴う県の対応について④養豚業の振興について⑤スマート農業の推進について⑥電気事業の新たな取組について⑦県立高校におけるスクールカウンセラーの活用について》    〔議会局長報告〕  出席議員 議長共91名 ○議長(桐生秀昭) ただいまから、本日の会議を開きます。   ─────────────────────────────────────── ○議長(桐生秀昭) 審議を行います。  日程第1、定県第1号議案 平成31年度神奈川県一般会計予算外49件及び日程第2、定県第157号議案 平成30年度神奈川県一般会計補正予算外26件、以上一括して議題といたします。  これより質問並びに質疑を行います。  質問の通告がありますので、順次発言を許します。  田中信次君。  〔田中信次議員登壇〕(拍手) ◆田中信次議員 私は自民党神奈川県議団の一員として、通告に従い、提言を交えながら順次質問させていただきます。  知事並びに健康医療局長環境農政局長、企業庁長、教育監におかれましては、明快なご答弁をよろしくお願いします。先輩議員並びに同僚議員におかれましては、しばらくの間、ご清聴のほどよろしくお願いいたします。  〔資料提示〕  質問の第1は、県職員の人材確保対策についてであります。  好景気を背景に学生にとっては、売り手市場が続いており、地方自治体においても民間企業との人材確保競争が厳しさを増しています。  本県においても、職員採用の中心である1種試験の内定辞退率は、平成20年度以降、30%以上となっていたものが、29年度、30年度と20%台となっているようですが、決して楽観視できる状況ではありません。  昨年の一般質問で、県職員の人材確保対策について質問した際、知事からは、神奈川県で働くことに強い志を持たない人が辞退することについて、特に問題とは考えていない。何としても神奈川県庁の職員として仕事をしたいという、やる気にあふれたアグレッシブな職員を求めているとの答弁でありました。  そのため、例年3月に実施している採用説明会においては、知事みずからが出席して、少子化対策や観光振興などの県の施策について受験予定者と意見交換を行ったり、ホームページやパンフレットなどで、本県の先進的な政策や働き方改革の取り組みを積極的にアピールしているとのことでありました。  私も、神奈川県でなければという就職希望者をふやすことは大切と考えており、やる気にあふれたアグレッシブな人に来てもらうためには、県の進めている政策をアピールする説明会のような場を設けて、県への採用を考えている人に対して積極的に訴えていく必要があると考えます。  そして、そうしたアピールは、就職を直前に控えた者に対してだけでなく、就職を意識し始める前の、例えば高校生等にも行うことで、神奈川県への就職を考えるきっかけづくりとなるのではないかと考えています。  県立高校では、卒業生によるキャリアガイダンス制度により、高校のOBが現在ついている職業について出前講座を行っているところもあり、神奈川県職員という職業について、そうした取り組みを早いうちから行うことで、就職の時期になったとき、神奈川県を就職先の一つと考えるのではないかと考えます。  昨年惜しまれつつなくなってしまいました県民局でございますが、最後の質疑を歴史の総括として私が行いました。  幹部職員の答弁の中で、情報公開、男女共同参画など、当時の神奈川県の先進的な政策が学生の心をくすぐる魅力的な取り組みで、自身の入庁のきっかけになったと話してくれました。  現在の神奈川県の再生可能エネルギー政策では、このたび、企業庁の電気事業経営計画の中でメガソーラーで集める電気を使い、水素をつくり出すという目標が掲げられました。  水力発電も所有する神奈川県としては、真の再生可能エネルギーをつくり出せる先進県になる可能性が秘められており、体験学習や出前講座などで若い世代にも知っていただければ、魅力的な政策だと感じていただき、入庁のきっかけの一つになると考えます。  私は40年、県議会議員を務めさせていただくつもりでありますが、40年後の議会で黒岩県政の政策にあこがれて入庁したという答弁を、県の職員から頂戴したいものであります。  そこで、知事に伺います。  県職員の人材確保を図っていくためには、就職の直前だけでなく、高校生に対しても、積極的に県の進めている政策をアピールしていく場を設けることにより、それに共感して、県で働きたいと思う人がふえ、人材の確保が図れるのではないかと考えますが、見解を伺います。  〔資料提示〕  質問の第2は、基地返還と跡地利用に向けた考え方についてであります。  戦後、本県には多数の米軍基地が置かれ、また、在日米陸海軍の司令部など主要な基地が置かれたことから、沖縄に次ぐ第二の基地県と呼ばれてきました。今なお12カ所もの基地が所在し、基地返還の実現は大きな目標でもございます。  近年、画期となったのは、平成16年10月の日米合意により、横浜市内6基地の返還が合意されたことであり、私の地元であります横浜市泉区でも、深谷通信所が平成26年6月に返還されました。  また、最近では、昨年11月に根岸住宅地区の返還に向けた日米協議の開始等が合意されています。  さて、基地返還及び跡地利用について、私の地元の状況をお話しいたします。  深谷通信所では、旧日本海軍の基地を戦後、米海軍が接収し、通信施設を設置した経緯があり、基地周辺住民は、長年にわたり基地負担を担ってまいりました。米軍の電波によるテレビ難視聴問題が発生し、共同受信施設が設置されるなど、さまざまな不便を強いられてきました。  また、現在では特定失踪者事案と認定されていますが、かつては原因不明の失踪事件について、基地との関係がうわさされることもありました。そうした一部風評にもかかわらず、私たちは住民として基地との関係を顔の見える関係にしようと歩み寄り、伸びやすい雑草を刈るかわりに、野球場やスポーツ広場、家庭菜園として土地利用をするという交流を続けてまいりました。さらには、日米盆踊り大会など、米軍基地との前向きな交流を続けてきました。  〔資料提示〕  昨年2月に横浜市は、深谷通信所跡地利用基本計画を取りまとめました。それによると、平常時には、運動施設や公園型墓地として、災害時には、広域避難場所や仮設住宅として使用するとのことでありました。  過去の歴史に配慮すると言いつつ、土地の4分の1は墓地となり、さらに災害時には仮設住宅でございますが、その墓地の周りに建設する計画を見て、私は疑問を禁じ得ませんでした。  阪神・淡路大震災、東日本大震災を通じて災害関連死の問題は自治体最大の課題と言われる中、仮設住宅建設予定地に墓地の周りを指定する市の計画については、地元出身の県議として、今後も意見を言っていかなければならないという思いでございます。  さて、この間の経緯を改めて振り返りますと、深谷通信所は、平成16年、日米合意から返還の実現までに10年もの年月がかかり、さらに跡地利用の実現まで、まだ相当の期間が見込まれています。  基地返還にはさまざまな課題があり、時間がかかることは理解いたします。上瀬谷通信施設は、平成16年の日米合意から返還までおよそ11年、根岸住宅地区は昨年11月の新たな合意まで14年が経過をしております。  基地周辺住民が長年にわたり負担を担ってきたことを考えると、基地返還をできるだけ早く実現することはもちろんですが、それまでの間も、住民に寄り添った丁寧な対応が必要と考えます。  私は、基地返還に向けた取り組みにおいて、あらかじめ跡地利用の考え方をしっかりと組み入れ、国に働きかけていくことが、基地の早期返還につながり、さらには住民に寄り添った対応にもつながるものと考えています。  跡地利用は主に地元市の役割であることから、市と連携し、取り組みを進めていただきたいと思います。  そこで、知事に伺います。  基地返還後の跡地利用も見据えて、基地返還に取り組むことの重要性について、見解を伺います。  〔資料提示〕  質問の第3は、風しんの流行に伴う県の対応についてであります。  風疹の流行が続いているとのことでありますが、私は昭和54年生まれであり、風疹の予防接種を受けていない最後の世代でもございます。この世代の人間として、そして、子を持つ父親として、責任感を持って風疹予防に協力していきたいと考えています。  風疹は予防接種により防ぐことができる病気であり、先天性風疹症候群の子供が生まれないようにしなければなりません。  患者は30代から50代の男性が多くを占めているとのことですが、この年齢層の男性というと、ちょうど働き盛りの世代であり、自分を含め、ただでさえ忙しい人たちに、風疹予防に関する情報を得て、その上で抗体検査や予防接種を受けるという行動を起こさせるには何らかの工夫が必要であります。  現在、その世代が多く所属している企業に対して、県は、従業員が抗体検査や予防接種を受けやすい職場の環境づくりに努めていただくよう呼びかけ、連携強化をしていることは承知しています。  しかし、30代から50代の男性が必ずしも企業に属しているというわけではありません。例えば、農業の担い手や個人事業主等は企業に属しておらず、そういった人々にも漏れることなくアプローチすることが必要です。  さらに、30代から50代の男性が集まるような店や、プライベートでよく行くような施設など、場所に注目し、その場所での効果的な広報を考えてもよいのではないでしょうか。  そこで、健康医療局長に伺います。  30代から50代男性に対して、風疹に関する情報を幅広く多方面から伝え、風疹予防について理解を深めていただき、抗体検査や予防接種を受けるという行動につなげることが重要と考えますが、具体的にどのようなアプローチを考えているのか、見解を伺います。  〔資料提示〕  質問の第4は、養豚業の振興についてであります。  昨年12月30日、環太平洋連携新協定─TPPが発効し、さらに、2月1日にはEUとのEPAも発効いたしました。TPPを脱退したアメリカと2カ国間での物品貿易協定交渉開始も合意されており、我が国は、自由貿易体制の推進、世界との大幅な市場開放に踏み出しております。  いずれの協定も農業、特に養豚を初めとする畜産業への影響が大きいとされ、外国産と品質的に競合するとされている豚肉は、輸入の増加に伴い、国産豚肉の価格が下落することは容易に想定がされます。  国は、関税削減などに対する農業者の懸念と不安を払拭し、TPP等発効後の経営安定に万全を期すため、協定発効に合わせて経営安定対策の充実等の措置を講じたとしていますが、本県のような都市部の生産者は、経営規模も小さく、輸入飼料の価格高騰や環境問題に対する対応の設備投資の負担増加などを抱えているため、後継者に安心して将来を託すこともままならず、養豚経営を存続していくことが困難となりかねない状況に置かれています。  私の地元、泉区は古くから養豚が非常に盛んな地域であり、戸数こそ減ったものの、生産者は、周囲の生活環境に最大限配慮しながら、品質がよく、安全・安心でおいしい豚肉の生産のため、日夜、養豚業に専心しております。  また、食育活動など、地域との交流にも大変力を入れていますが、都市化が進む状況の中で、今後の経営を継続していくためには、環境対策、特に臭気対策が最も重要な課題となります。  〔資料提示〕  このような中、県は昨年12月、畜産技術センターに海外の先進的な脱臭施設を完備した環境制御型豚舎を整備いたしました。私も早速視察し、まさにこのような施設があれば養豚の臭気問題解決の大きな力になるとその効果に期待しておりますが、同時に、このシステムをいかに本県の養豚業に普及させるかが課題と認識したところであります。  そこで、環境農政局長に伺います。  TPP等による国際間競争の激化も懸念される中、都市化の進展で生産条件が厳しい本県において、養豚業が将来にわたり安定的に経営を継続していくため、県として今後どのように養豚業を振興していくのか、また、畜産技術センターに整備した環境制御型養豚施設の活用をどのように取り組んでいくのか、あわせて見解を伺います。  〔資料提示〕  質問の第5は、スマート農業の推進についてであります。  本県農業は、限られた農地を有効に活用することで、野菜や果樹など園芸作物を中心に、新鮮な農産物を生産しています。  私の地元、横浜市泉区でも農地が多く、野菜などの直売はどこも人気があり、味が評判のトマト農家の直売所では、開店前から行列ができて、すぐ売り切れになることも多く見られます。  また、最近ではスーパーなどでも、地場農産物のコーナーが設置されていることが多く、県民の地場産の野菜に対するニーズは非常に高いです。  一方、生産者は高齢化が進み、徐々に生産を縮小せざるを得ない状況など、将来に不安を抱えている農家は多いと思います。  生産緑地について制度改正がされ、小規模でも維持していける環境が整いつつある中で、小規模な農地でもしっかりとした農業経営を営んでいくことは、生産者の課題となっています。  こうした不安を解消し、課題を乗り越えていくために有効なツールとして、ICTなどを活用し、省力化や精密化などを進めるスマート農業があると考えます。  オランダの施設園芸では、もちろん農業生産条件が大きく異なることは理解するところでありますが、温室内の環境制御や作業の自動化など、最先端の技術が活用され、大規模でかつ効率的にトマトが生産されています。  〔資料提示〕  県では、農業技術センターにICT温室を整備し、本県の施設園芸を代表する野菜であるトマトなどを対象とした生産技術の開発や普及に取り組んでいると承知しております。  スマート農業の普及は、本県の農業の魅力アップに貢献するものであり、意欲のある経営が多い施設トマトで、スマート農業技術の普及が進むことは、トマト生産農家の経営改善と規模拡大を後押しするとともに、ほかの作物への波及効果も大きいと考えています。  そこで、環境農政局長に伺います。  今後、スマート農業の普及に向けて、どのように取り組んでいくのか、見解を伺います。  〔資料提示〕  質問の第6は、電気事業の新たな取組についてであります。  東日本大震災以降、県では、原子力発電に過度に依存せず、将来にわたり安全で安心して利用することができるエネルギーを安定的に確保するため、再生可能エネルギーの導入等の取り組みを進めてきました。  また、これまで国際的には、気候変動の抑制のため、温室効果ガスの抜本的かつ継続的な削減が必要とされており、最近ではパリ協定の発効や持続可能な開発目標であるSDGsが掲げられるなど、発電時に温室効果ガスを発生しない再生可能エネルギーは、ますます重要視されています。  このような中、昨年7月に閣議決定された第5次エネルギー基本計画では、再生可能エネルギーの主力電源化が打ち出されましたが、再生可能エネルギーを主力電源とするためには、低コスト化や、不安定な太陽光発電などの出力をカバーするための調整力の確保が課題とされています。  例えば、太陽光や風力発電は、季節や天候により発電量が大幅に変動するため、電力の需給バランスを正常に保つためには、せっかく発電できる状態にあるにもかかわらず、発電を停止しなければならないことがあります。また、九州では、原子力発電所の再稼働に伴って、太陽光発電を抑制する事態も起きているという報道もございました。  〔資料提示〕  これらの課題を解決するための方法として、再生可能エネルギーの余剰電気を水素として貯蔵しておき、電気が不足したときには、逆に水素から電気をつくり出す技術が大変有効であると思います。  来るべき2020東京オリンピック・パラリンピック競技大会では、我が国の先進的な取り組みを多くの国民や訪日する外国人に発信する絶好の機会として、水素を利用した燃料電池バスの運行や、選手村等でも水素の利活用に向けた計画が進んでいます。  このような環境の中で、現在、企業庁が策定している次期「神奈川県営電気事業経営計画」では、再生可能エネルギー普及の推進のための取り組みの一つとして、水素エネルギー利用の技術的研究を主要事業に位置づけようとしております。  水素エネルギーは、利用段階でCO2を排出しないクリーンなエネルギーですが、石油や天然ガスなどの化石燃料を使用して生成する場合には、その過程でCO2が発生し、環境負荷がかかるという面もあります。  〔資料提示〕  しかし、企業庁が進めようとしている技術的研究は、再生可能エネルギーの利用により、生成過程でも環境負荷のかからない完全にクリーンなエネルギーを生み出せる可能性がある魅力的な事業だと考えます。  県民生活を支える水道や電気といった重要なライフラインを担っている企業庁が、全く新しい分野である水素エネルギーに着目し、今後取り組もうとしていることは、夢のある新たな挑戦と私は評価をしております。  そこで、企業庁長に伺います。  企業庁として、今後どのように水素エネルギーの利活用に取り組もうとしているのか、見解を伺います。  〔資料提示〕  質問の第7は、県立高校におけるスクールカウンセラーの活用についてであります。  昨年10月に公表されました平成29年度神奈川県児童・生徒の問題行動等調査では、いじめ、暴力行為等の問題行動の件数や長期欠席者数が前年度よりも増加しており、学校や家庭において、さまざまな課題を抱える子供たちの存在が改めてクローズアップされたところであります。  こうした子供たちに対しては、保護者や身近な大人である教職員が適切に対応することが望ましいところでありますが、すべてを家庭や学校で解決することは困難であり、専門家の支援を必要とするケースも多いと考えられます。  特に、学校不適応や発達に課題のある子供への対応については、心理面での専門家のアプローチは欠かせません。  こうしたことから、私は、学校に配置されるスクールカウンセラーに大いに期待しているところであります。  〔資料提示〕  県教育委員会のスクールカウンセラー業務ガイドラインによれば、スクールカウンセラーの業務は、児童・生徒のカウンセリングのみならず、保護者のカウンセリング、教職員のコンサルテーション、緊急時の対応、心理に関する研修の実施など多岐にわたっており、その活動は高く評価されています。  そうした中、平成31年度当初予算案には、県立高校のスクールカウンセラーの増員に向けた経費が計上されています。具体には、7人のスクールカウンセラーを増員すると聞いており、厳しい財政状況の中で増員を図られたことは評価いたしますが、一方で、もっとふやせないものかという印象もぬぐえません。  既に公立中学校には、全校にスクールカウンセラーが配置されていることを踏まえると、県立高校で増員されるスクールカウンセラーは、少し物足りなく感じますが、この増員分を含めたスクールカウンセラーで、さまざまな課題を持つ県立高校の生徒たちのニーズに対して、的確に対応していくことが必要です。  そこで、県立高校の教員として学校現場で活躍された経験のある教育監に伺います。  県立高校のスクールカウンセラーを効果的に活用していくため、今後どのように対応していくのか、見解を伺います。  以上をもちまして、私の1回目の質問を終わります。  ご清聴ありがとうございました。                               〔拍 手〕  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○議長(桐生秀昭) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) 田中議員のご質問に順次お答えしてまいります。  初めに、県職員の人材確保対策についてお尋ねがありました。  人口減少・超高齢社会の到来により、自治体を取り巻く環境が大きく変化する中、将来にわたり質の高い県民サービスを提供していくためには、県行政を支える優秀な人材を確保していくことが大変重要です。  本県では、SDGsやヘルスケア・ニューフロンティア、未病改善の取り組みなど、先進的な政策を展開しているほか、医療、福祉や防災、産業振興、インフラ整備など、さまざまな分野で県民生活を支える重要な事業を行っています。  人材の確保のためには、こうした県行政の先進性ややりがいを若い人たちに積極的にアピールし、将来、神奈川県庁で仕事をしたいという思いを持ってもらうことが必要です。  そうした観点から、議員ご提案の高校生に対する政策アピールの場、これは人材確保を図る上で有効な手段だと思います。  そこで、今後は、県教育委員会と連携して、県の職員が高校に出向いて県行政の役割や先進的な政策について説明する出前講座を開催するなど、高校生に神奈川県庁で働くことを意識してもらう場をつくっていきたいと考えています。  また、県の政策について、私が県民の皆様と直接意見交換を行う対話の広場には、毎回多くの高校生や大学生が参加しており、若い人ならではの貴重な意見を数多くいただいています。  さらに、日本青年会議所が主催するかながわハイスクール議会では、高校生が共生社会や防犯・防災、都市開発など、さまざまな政策テーマについて私と活発な議論を交わし、政策提言を行っています。  今後はこうした機会も活用し、高校生や大学生が県の政策や事業に興味を持ち、それを実現する場として神奈川県庁を選んでもらえるよう取り組んでまいります。  このようなさまざまな取り組みを通じ、将来の神奈川県庁を担うやる気にあふれたアグレッシブな人材を確保していきたいと考えています。  次に、基地返還と跡地利用に向けた考え方についてお尋ねがありました。  本県には、都市部の人口密集地域に12カ所もの米軍基地が所在し、まちづくりの障害となるなど、県民生活にさまざまな影響を与えていることから、県はこれまで基地の整理・縮小・返還に向けて重点的に取り組んできました。  そうした基地返還の取り組みにおいて、あらかじめ地元市の跡地利用の意向を踏まえて返還の必要性を具体的に示し、国に要望を行うことは、早期返還につながる有効な手法であると考えています。  また、基地の底地の多くを占める国有地は、返還後、まずは国が管理する土地となることから、地元市による円滑な跡地利用を実現するためにも、市の意向をあらかじめ国に伝えていくことは重要です。  そのため、県はこれまで神奈川県基地関係県市連絡協議会において、地元市による市の跡地利用の構想、計画を要望書に明記して基地返還を国に求めるなど、地元市と連携して取り組みを進めてきました。  こうした取り組みにより、基地の早期返還と地元市の意向を踏まえた跡地利用の実現を図ることが、長年にわたり基地の負担を背負ってきた基地周辺住民の皆様に寄り添った対応になるものと考えています。  そこで、今後も地元市と緊密に連携し、市の跡地利用の構想、計画を丁寧に国に伝え、基地の早期返還と円滑な跡地利用の実現に向けて、粘り強く取り組んでまいります。  私からの答弁は以上です。  〔健康医療局長(市川喜久江)発言の許可を求む〕 ○議長(桐生秀昭) 市川健康医療局長。 ◎健康医療局長(市川喜久江) 健康医療局関係のご質問にお答えします。  風疹の流行に伴う県の対応についてお尋ねがありました。  県内の風疹患者の発生は今年に入ってからも継続しており、既に80人を超える方が報告され、鎮静化の兆しが見えません。  患者の中心である30代から50代の男性は、ちょうど働き盛りの世代であり、企業や団体で働いている方が多いことから、まずは、企業と連携し、風疹予防に関して従業員への周知を図るとともに、予防接種等を受けやすい環境づくりに努めてきました。  一方で、個人で事業を営んでいる方や、農業従事者など、企業に属していない方へのアプローチも必要です。そこで、神奈川県商工会連合会、商連かながわや農業協同組合などの団体に訪問するなどして、会員、構成員への普及啓発をお願いしました。  また、飲食店、理容室、美容室などで働いている方に対しても、それぞれの団体を通じて風疹の予防を呼びかけています。  さらに、男性が多く集まる場所として、今年1月には川崎競馬場において、場内外にあるスクリーンで県が作成した動画を放映し、風疹の予防接種を呼びかけました。  今後は、飲食店や遊技場などを利用する方への啓発として、ポスター掲示などの協力を関係団体に働きかけていきます。  また、市町村においても、広報紙に特集を掲載したり、チラシを配布するなど、周知に努めているところですが、今後も市町村と連携し、情報が多くの方に届くよう取り組んでいきます。  このように市町村や関係団体とさまざまな方面からアプローチすることで、30代から50代の男性の抗体検査や予防接種に確実につなげ、風疹撲滅に向けて国や市町村と連携してしっかりと取り組んでまいります。  私からの答弁は以上でございます。  〔環境農政局長(玉木真人)発言の許可を求む〕 ○議長(桐生秀昭) 玉木環境農政局長。 ◎環境農政局長(玉木真人) 環境農政局関係のご質問にお答えいたします。  養豚業の振興についてお尋ねがありました。  本県の養豚業を取り巻く環境は、今後ますます厳しくなることが予想されますので、県では、将来の経営に不安を感じている養豚農家の思いに寄り添いながら、生産振興、出口戦略、環境対策の3本の柱で養豚業の振興に取り組んでいます。  まず、一つ目の生産振興です。  国では、国費と生産者の積立金を原資として、豚肉の販売価格が低下した場合に発動する交付金制度を運営していますので、県では独自に生産者積立金の一部を補助しています。  また、国際競争力や収益力の向上に意欲のある養豚農家に対しては、国の畜産クラスター事業を活用して、生産基盤の強化を目的とした畜舎等の整備に対し、集中的に支援をしています。  次に、出口戦略です。  県では、関係団体と一丸になって各種イベントを開催しており、昨年11月のかながわ畜産フードコレクションには2万人を超える方に来場していただきました。  その中では、こんなにおいしい県産畜産物があるとは知らなかったなどといった声をいただき、県産畜産物のブランド力向上やファンの拡大につながる手応えを感じました。  最後は、環境対策です。  本県の養豚場はその多くが住宅地に近接しており、農家の皆様は臭気対策に苦慮していますので、県では畜産技術センターにドイツ製の先進的な脱臭装置を備えた環境制御型の養豚施設を今年度整備しました。  この春からは、本格的な実証研究を開始し、ドイツに比べて高温多湿という神奈川の気象条件において、どのような性能を発揮できるか、まずは空調や脱臭性能、ランニングコストのモニタリングを行います。その上で、実際に豚を飼育し、養豚農家がこうしたシステムの導入を判断するに当たり最も重視する豚の発育成績などへの影響調査を行います。  県では、こうした取り組みを通じて、国際間競争にさらされ、かつ周辺環境への配慮も必要な本県の養豚経営を支援し、次世代につながる持続可能な養豚業の振興を図ってまいります。  次に、スマート農業の推進についてお尋ねがありました。  本県では、中小規模の施設園芸農家が多く、直売が盛んな都市農業の特徴を踏まえ、効率的に高い生産量と品質を実現できる神奈川らしいスマート農業の技術を確立する必要があります。  そのため、県では、まずは主要品目であるトマトを対象にICTの活用に向けた検討を行うこととし、平成27年度に県と施設トマトの生産者や農業団体、施設園芸の専門家などで構成するかながわスマート農業普及推進研究会を設置しました。  研究会では、スマート農業の取り組みの基礎となるトマトの生育環境を把握するため、平成28年度に施設内の温度や二酸化炭素などの環境を測定する機器の導入を促すためのパンフレットを作成し、生産者に周知しました。その結果、昨年までに測定機器の導入が急速に進みました。  また、農業技術センターでは、品質を確保しながら生産量を増加させるために、トマトの生育状況に合わせて施設内の環境を制御する方法や収量の増加などに適した品質の研究などに取り組んでいます。  今年度中には、研究会と農業技術センターでの検討結果を総合し、県内の生産者の取組事例や環境制御技術のポイント、ICTを導入する場合の経営モデルをわかりやすく示したマニュアルを作成します。  今後は、農業技術センターを中心に、マニュアルを活用した生産者向け講習会の開催や個別指導を進め、より一層の普及に努めます。  さらに、県ではスマート農業の取り組みに必要な施設の整備や機器の導入を支援するほか、イチゴなど他の作物も対象に技術開発を進めていきます。  ICTを効率的に活用し、品質を確保しながら、生産性の高い農業経営を実現していくことは、本県農業の活性化に不可欠ですので、県はJAや市町村と連携して、スマート農業の普及に努めてまいります。  私からの答弁は以上です。  〔企業庁長(大竹准一)発言の許可を求む〕 ○議長(桐生秀昭) 大竹企業庁長。 ◎企業庁長(大竹准一) 企業庁関係のご質問についてお答えします。  電気事業の新たな取り組みについてお尋ねがありました。  企業庁は14の水力発電所を有し、全国の公営電気事業者の中で最大規模の発電事業を行うとともに、いち早く太陽光発電に取り組み、再生可能エネルギーの利用拡大を図るなど、常にエネルギーの将来を見据えた事業を進めてきました。  こうした中、将来のエネルギーとして、余った電力を貯蔵し、いつでも活用できる水素の役割への期待が高まっており、昨年、国が策定した第5次エネルギー基本計画にも、水素社会の実現に向けた取り組みを強化していく方向性が示されました。  また、本県においても、神奈川の水素社会実現ロードマップに基づく官民連携の取り組みが進んでいます。  こうした動きを踏まえ、企業庁では、県営電気事業が水力や太陽光で発電する再生可能エネルギーを使って、CO2を発生させずにクリーンな水素を生み出し、エネルギーとして活用する取り組みを、次期電気事業経営計画の主要事業に位置づけることとしました。  そして、具体的な取り組みとして、企業庁の発電施設に水素を製造、貯蔵、供給する設備を新たに設置し、実際に運用や維持管理を行いながら、職員の水素に関する知識や技術力を高めるとともに、多くの方々に水素エネルギーに対する理解を広めていきます。  また、この取り組みに合わせて、企業庁が運営するさまざまな規模や種類の発電所を使って大都市圏に位置する施設の立地条件も生かしながら、今後どのように再生可能エネルギー由来の水素の利活用を広げることができるのか、事業化の可能性を含め、調査研究を行います。  来年度予算案には、これらの取り組みを進めるためのスタートの予算を計上したところです。  水素エネルギーの利活用は、企業庁にとって初めての分野であり、10年、20年先の電気事業の将来像を描きながら、企業庁が果たすことができる役割を探り、水素社会の実現に貢献できるよう、しっかりと取り組んでまいります。  私からの答弁は以上です。  〔教育監(折笠初雄)発言の許可を求む〕 ○議長(桐生秀昭) 折笠教育監。 ◎教育監(折笠初雄) 教育関係についてお答えします。  県立高校におけるスクールカウンセラーの活用についてです。  社会がますます多様化・複雑化する中で、県立高校に通う子供たちが抱える課題も深刻さを増しています。心理に関する専門的な観点から、教育相談を行うスクリーンカウンセラーの役割が年々大きくなっていると実感しています。  平成29年度の県立高校中等教育学校のスクールカウンセラーによる相談件数は1万4,000件を超えており、1校当たり約100件になります。また、その多くが1人で2校、または3校を受け持っているため、対応時間も限られているのが実情です。  このため、県教育委員会では、県立高校のスクールカウンセラーの拡充に努めており、平成30年度は12人増員し、さらに31年度については、7人を増員するための予算を計上しています。  今後もふえ続けると見込まれる子供たちの多様な課題に的確に対応していくためには、スクールカウンセラーの拡充とともに、学校がより効果的にスクールカウンセラーを活用することが重要です。  そのためには、スクールカウンセラーは専門家としての助言を行うことに重点を置き、教育相談コーディネーターの役割を担う教員を中心に、教職員が子供たちの支援を組織的に行うなど、業務の分担を明確にし、学校としての教育相談体制を整備する必要があります。  そこで、県教育委員会では、引き続き教育相談や生徒指導に関する会議の場などで、スクールカウンセラー業務ガイドラインや活用事例集などにより、その効果的な活用方法に係る教員向け研修を重ねていきます。  そして、それぞれの学校の実情に適したスクールカウンセラーの専門的知見を最大限生かすことができる校内相談体制の整備を進め、さまざまな課題を持つ生徒のニーズに的確に対応してまいります。  以上でございます。  〔田中信次議員発言の許可を求む〕 ○議長(桐生秀昭) 田中信次君。  〔田中信次議員登壇〕 ◆田中信次議員 知事並びに健康医療局長環境農政局長、企業庁長、教育監におかれましては、ご答弁ありがとうございました。  それでは、1点、再質問でございますが、風疹の流行に伴う県の対応について再質問をさせていただきたいと思います。  風疹の予防接種を受ける場合のワクチンなんですけれども、先日、私の子供が風疹の予防接種を受けに行ったのですが、ちくっとやられまして、でも泣かなかったんですけれども、強くていい子だなと、我ながら思ったのですが、そのワクチンの説明なんですけれども、実はMRワクチンなるものを打たれまして、それが風疹と麻疹、両方効きますよという説明がございました。  これまで、私は、風疹と麻疹─はしかのワクチンというのは別々に接種するものだと思っていたのですけれども、少々驚きだったのですね。  今回、県は、30代から50代の男性を中心に風疹の予防接種を受けるよう働きかけるということでありますけれども、使用するワクチンというのは風疹だけのワクチンなのか、最近、はしかの集団感染の話も出ていますので、どういったものをやるのか、ちょっと気になったものですから、健康医療局長に見解を伺いたいと思います。  〔健康医療局長(市川喜久江)発言の許可を求む〕 ○議長(桐生秀昭) 市川健康医療局長。 ◎健康医療局長(市川喜久江) 健康医療局関係の再質問にお答えいたします。  MRワクチンは、麻疹と風疹の混合ワクチンであるため、風疹だけでなく、麻疹もあわせて予防することができます。そして、現在、風疹の予防接種を行う際のワクチンは、国により、MRワクチンが推奨されており、年齢に関係なく、ほとんどの場合でMRワクチンを使用しております。  以上でございます。  〔田中信次議員発言の許可を求む〕
    ○議長(桐生秀昭) 田中信次君。  〔田中信次議員登壇〕 ◆田中信次議員 ありがとうございました。  それでは、要望を申し上げていきたいと思います。  風疹の予防接種についてですけれども、はしかについても効果があるということで、医療人の方でなければ、なかなかわからない情報かなと思いました。表現の仕方は難しいのかもしれませんが、風疹予防施策の一助になるかもしれませんので、はしかにも効果があるよと県民にあくまでさりげなくお知らせすることをお勧めいたします。  また、30代から50代の男性へのアプローチは非常に難しく、知っても行かないということが大変懸念されます。今回さまざまなアプローチをふやしていくという答弁でしたけれども、行動変容は大変でございます。  男性の弱点のようなものをつかなければいけないという思いであるのですが、例えばですけれども、かつて昭和の時代は、刑事ドラマの立てこもり事件では、犯人に告ぐ、田舎のお母さんが来ているぞ。お母さんだよ、出てきてお前の好きだった芋の煮っころがし食べに出ておいで。お母ちゃん、と、母が息子を思う母性で事件を解決してきた歴史がありますが、しかしながら、現在、母の愛は振り込め詐欺等で悪用され、母性の価値はおとしめられております。  新しい元号を迎える今こそ、母性の復権を、母の愛にご協力いただくときではないでしょうか。上司に言われようが、嫁さんに言われようが、聞かないのが30代、40代、50代の男子でございます。実家のお母さんからのしつこいアプローチがあれば、わかったわかった、とりあえず黙ってくれよと言って、折れる男子も出てくるのではないでしょうか。  息子の子育てでやり残しはありませんか、息子さん、風疹予防接種やってますか、母子手帳すぐ開いてくださいと、県からもお母さんたちにご協力いただければ、一助になるかなと思いますので、ご検討をいただければと要望いたしたいと思います。  県職員の人材確保についても要望したいと思います。  優秀でやる気のある人材確保は、県庁にとってはとても大切なことです。若いうちから、神奈川県の存在や政策を知ってもらうことは、就職適齢期を迎えた方や再就職の方の職業選択の一考があるかと思われます。  特に私のように政令市出身ですと、一般の方がなかなか県とかかわるということは、実は県立高校が一番大きいのかなという思いでありましたので、今回、こんな質問をしたんですけれども、高校での県のアピールができなければ、なかなかこれから先、かかわることが少ない人も多いのかなと思いますので、特に政令市の区役所で、大体、いろいろな手続をするのですけれども、なかなか県の政策を見かけることが少ないものですから、神奈川県というのは政令市を三つも抱えている特殊な県でありますので、ぜひこういったチャンスを生かして、高校生にもアピールすることを要望したいと思っております。  続きまして、基地返還と跡地利用に向けての考え方についてでございますが、横浜市内の基地返還・跡地利用について、県がかかわることは少ないかと思われます。しかしながら、神奈川県内でのことでありますから、今後の前例として参考になってしまうことは間違いないと思っております。  神奈川県内にはまだまだ基地があり、同じように苦しんでいる県民も多くいらっしゃいます。神奈川県民は基地を政争の具とせず、前向きに付き合ってきた歴史もございます。そういった県民の心に寄り添う神奈川県でありますよう、今回の跡地利用に関しましても、ご協力いただきますよう要望いたしたいと思っております。  電気事業の新たな取り組みについて要望したいと思います。  このたび企業庁がチャレンジする再生可能エネルギーから水素燃料をつくり出す事業は、多くの人々から理想とされた形であって、全面的に支援していきたいと思っております。  特に水力発電は地形の問題もあり、自治体によっては持つことができない発電方法で、全国地方自治体で水力発電から水素をつくりたいと議会答弁をした自治体は、私が知る限りではありますが、全国で神奈川県が初めてだと思います。  南足柄やみなとみらいにもございます富士フイルム社─今富士ゼロックスになっていますけれども、富士フイルム社がデジタル時代を見越してフィルムの技術をほかの産業に転用するという大胆な構造改革を行い、時代の波を乗り切った事実を考えれば、公営企業であるからと言って神奈川県の企業庁も安心はできません。  特に電気事業は、余剰分の再生可能エネルギーが切り捨てられやすい状況にありますので、水素事業へチャレンジすることは非常に有効だと考えております。  ガソリンにレギュラーとハイオクというものがありますが、近い将来、製造過程からCO2を排出しない水素エネルギーの差別化に成功して、レギュラーorカナガワと世界で呼ばれる日が来ることを楽しみに、しっかりと取り組むよう要望を申し上げたいと思います。  養豚業の振興について要望したいと思います。  都市農業における畜産業、特に養豚業の環境対策は非常に重要な施策であります。人口の多い神奈川県の中で養豚を続けることは、苦情も多く大変な苦労をされております。やめてしまうのは簡単ですが、一度失った技術は取り戻すのは容易ではなく、守る必要がございます。  このたびの畜産技術センターの環境制御型豚舎は、都市農業の問題点をクリアできる施設であり、大いに期待するところであります。しっかりと神奈川県の環境に対応できるか実験をしながら、普及に向けて取り組んでいただきますよう要望いたします。  続いて、スマート農業の推進についてであります。  大消費地でもある神奈川県の地場産の野菜の需要は非常に高くて、人気がございます。一方、農地の規模や担い手の問題などさまざまな問題もありますので、スマート農業の研究、普及を推進して、県の都市農業活性化につなげていただきますよう要望申し上げます。  最後に、県立高校におけるスクールカウンセラーの活用についてですが、高校生は、小中学生とはまた違った悩みを抱えながら、就職、進学も近い世代でもありますので、生徒一人では解決できないたくさんの問題を抱えているかと思います。  要望が多かった県立高校のスクールカウンセラー増員ですので、一定の評価をいたしますが、カウンセラーの雇用形態、人材確保についても、引き続き尽力いただきますよう要望いたします。  以上、要望を申し上げまして、私の一般質問を終了させていただきます。  ご清聴ありがとうございました。 ○議長(桐生秀昭) お諮りいたします。  休憩いたしたいと思いますが、ご異議ございませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(桐生秀昭) ご異議がないと認めます。  よって、休憩いたします。  なお、再開は午後1時といたします。                  午前11時22分 休憩        ───────────── ◇ ───────────── △《本会議録-平成31年第1回-20190225-028446-質問・答弁-斉藤たかみ議員-一般質問①県民生活の安全・安心に向けた取組について②県政の諸課題について》                   午後1時1分 再開   〔議会局長報告〕  出席議員 副議長共81名 ○副議長(齋藤健夫) 休憩前に引き続き、会議を開きます。   ─────────────────────────────────────── ○副議長(齋藤健夫) 質問を続行いたします。  斉藤たかみ君。  〔斉藤たかみ議員登壇〕(拍手) ◆斉藤たかみ議員 立憲民主党の斉藤たかみでございます。  議長のお許しをいただきましたので、私は立憲民主党・民権クラブ神奈川県議会議員団の一員として、通告に従い、提言を交えながら順次質問をさせていただきます。  知事並びに県土整備局長、教育長、警察本部長におかれましては、明快なご答弁をお願いいたします。また、先輩、同僚議員の皆様におかれましては、しばらくの間、ご清聴のほどよろしくお願いを申し上げます。  それでは、質問に入ります。  質問の第1は、県民生活の安全・安心を守る取組についてでございます。  まず、生活に困窮する方々が利用する無料低額宿泊所について伺います。  日々の生活に困窮する方々にとって、無料低額宿泊所は自立支援のための一つの受け皿となっております。  この無料低額宿泊所は、社会福祉法に基づき、住居をなくした生活困窮者等の自立支援などを目的に設置されるもので、多くの入所者の方々は家賃や食費などを支払い、一時的に滞在するものとされております。  開設には知事等への届け出が必要ですが、業者が法の定義に該当しないなどとして、届け出のされてない施設も多く存在するのが現状のようであり、そこではさまざまなトラブルや事件・事故が発生しているとの新聞報道を多く目にいたします。  昨年1月、北海道札幌市の生活困窮者向け共同住宅において発生した火災では、11名の方が亡くなりました。また、昨年12月には、東京都町田市の生活保護受給者向けにNPOが運営するアパートにおいて、1部屋に4人が同居する中、男性入所者同士がトラブルとなり、60代男性が刺殺されるという事件が発生しております。  〔資料提示〕  一部の無料低額宿泊所では、部屋をベニヤ板等で仕切り、天井部を開口するなど、安全性やプライバシー確保の観点からもさまざまな問題があると思われる簡易個室と呼ばれるものが存在しているとのことであります。  このような中、厚生労働省では、社会福祉住居施設及び生活保護受給者の日常生活支援の在り方に関する検討会を中心に議論がなされており、その中で、昨年12月には、いわゆる簡易個室を段階的に解消していくことについての検討がなされております。  また、利用者を劣悪な環境下に押し込めて生活保護費を搾取する貧困ビジネスを排除する狙いで、今後、新たに厚生労働省令が制定された際には、都道府県、政令市、中核市は自治体条例を策定することとなっております。  これまで本県においては、社会福祉法の規定に基づき無料低額宿泊所事業に関するガイドラインを策定し、対応を図っていることは承知しておりますが、社会福祉法上、届け出の有無にかかわらず、社会福祉事業を経営するものに対する調査は可能であり、問題がある事業者に対しては、実態の把握はもとより、積極的に調査、指導していくことも重要と考えます。  そこで、知事にお伺いいたします。  安全性やプライバシー確保の観点から問題があると思われる無料低額宿泊所の、いわゆる簡易個室についての問題意識とその対応についてお伺いいたします。  また、届け出のされていない無料低額宿泊所に該当する可能性のある施設については、現状どのように実態を把握し、今後どのように対応していかれるおつもりなのか、ご所見をお伺いいたします。  次に、洪水浸水想定区域の見直しと周知について伺います。  〔資料提示〕  平成最悪の水害と呼ばれている平成30年7月豪雨では、洪水浸水想定区域図や洪水ハザードマップなどにより、行政が水害リスクの周知を行っていたにもかかわらず、住民の避難に生かされず、死傷者が多数生じました。  昨年12月の新聞報道によれば、神奈川県内では、1995年から2015年までの20年間で、洪水浸水想定区域内の人口が約25万人増加し、その増加率は約17%であり、これは全国最大とのことでありました。  この結果については、県全体の人口が増加したことが原因と考えられますが、今回の報道は、洪水浸水想定区域内に多くの県民が居住していることを事実として認識させたと同時に、水害リスクをしっかりと住民に周知していくことの重要性を改めて知らしめるものであったと感じております。  昨今、全国各地でこれまでの想定を上回る豪雨が多く発生していることから、県は、想定し得る最大規模の降雨を対象とした洪水浸水想定区域図を新たに作成するなどの見直しを行っていることは承知しております。  しかしながら、水害リスクをしっかりと周知するためには、まずは見直しを早急に進め、洪水ハザードマップを作成する市町村に対して結果を提供する必要がありますし、情報をいざというときの住民の避難に生かすため、洪水浸水想定区域図を作成するだけでなく、確認を促す取り組みも積極的に進めるべきと考えます。  その点について、これまで県は市町村と連携して、自治会などの方々とともに河川を点検し、現地で洪水浸水想定区域を確認していただくなどの取り組みを進めているとのことですが、私の地元、川崎市高津区では、そもそも町会や自治会への加入率が低いことが大きな課題というお話を多く伺っており、今後は、自治会等への加入の有無を問わず、広く県民に災害リスクを周知していくことも重要となると考えております。  そこで、県土整備局長にお伺いいたします。  洪水浸水想定区域の見直しと周知について、今後どのように取り組んでいかれるおつもりなのか、ご所見をお伺いいたします。  次に、横断歩道に近接するバス停留所の安全対策について伺います。  昨年8月30日の夕方、横浜市西区の住宅街の道路において、バスから降車した小学生が道路を横断中、対向車線を走ってきた車にはねられ、亡くなられるという大変痛ましい交通事故が発生いたしました。  〔資料提示〕  この事故については、新聞報道によると、横断歩道にバス停留所が近接して設置されており、事故発生当時、バスが横断歩道をふさぐような形で停車していたことが大きな要因であるとされております。  このような痛ましい交通事故を二度と発生させないためにも、また、バス停留所は、通勤通学に利用されている方や高齢者の方の生活に身近なものであることからも、バス停留所周辺の安全を確保することは極めて重要であると認識しております。  特に、今回事故が発生したバス停留所のように、横断歩道に著しく近接して設置されたバス停留所については、バス停留所を移設して横断歩道との位置関係を見直すなど、抜本的な安全対策を講じる必要があると考えております。  そもそも、バス停留所の移設等はバス事業者が責任を持って行うことは承知しておりますが、県警察としても、バス停留所の移設等に際して、その設置位置について、交通の安全、円滑という観点から意見を申し入れる立場にあると思っております。  これまで県警察は、この問題を看過することなく、横断歩道に近接するバス停留所の危険度を判定し、関係機関と合同で現地診断を行うなど、所要の安全対策を推進してきたものと伺っておりますが、今後も引き続き、さらなる安全対策を実施していく必要があると考えます。  そこで、警察本部長にお伺いいたします。  横断歩道に近接するバス停留所の安全対策について、現在までの取組経過及び安全対策実施上の課題、対応策についてお伺いいたします。  以上です。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○副議長(齋藤健夫) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) 斉藤議員のご質問にお答えいたします。  県民生活の安全・安心に向けた取り組みについてお尋ねがありました。  生活に困窮する方々が利用する無料低額宿泊所についてです。  無料低額宿泊所は、生活に困窮する方が無料または低額で利用できる施設で、県内には平成30年12月現在で131カ所あり、そのうち、県の所管する地域には53カ所あります。  その中で、居室に間仕切り壁を設置しただけの、いわゆる簡易個室がある無料低額宿泊所は県所管地域に10カ所あります。  県では無料低額宿泊事業に関するガイドラインを定め、居室はプライバシー確保の観点から、完全な個室とするとしており、簡易個室は問題があると認識しています。  そのため、県としては、簡易個室を運営する事業者に対し、指導監査等により、利用者が安心して生活できる個室の整備を図るよう指導しています。  また、県では、届け出のない無料低額宿泊所と思われる施設については、福祉事務所などから情報提供を受けて、施設の設備や運営状況の調査を行います。その結果、無料低額宿泊所に該当する場合は、届け出を求め、適正な運営を行うよう指導しています。  しかし、無料低額宿泊所の設備や運営に関する基準などが法令上、定められていないため、県ではこれまで国に対して法整備について要望してきました。  このような中、国では、昨年6月に社会福祉法を改正し、都道府県等に対して国の定める基準に基づく条例の制定を義務づけました。現在、平成32年4月の法施行に向け、施設の最低基準など、具体的な規制内容の検討が進められています。  県としては、今後、国の制度改正に合わせて条例を制定するとともに、関係機関と連携しながら、施設に対する指導監査を強化し、生活に困窮する方々が安心して暮らすことができるよう、しっかりと取り組んでまいります。  私からの答弁は以上です。  〔県土整備局長(鈴木祥一)発言の許可を求む〕 ○副議長(齋藤健夫) 鈴木県土整備局長。 ◎県土整備局長(鈴木祥一) 県土整備局関係のご質問についてお答えします。  洪水浸水想定区域の見直しと周知についてお尋ねがありました。  まず、洪水浸水想定区域の見直しについてです。  近年、全国各地でこれまでの想定を上回る豪雨災害が頻発している中、県は避難体制等の強化を図るため、浸水想定区域の対象とする降雨を、想定し得る最大クラスの降雨に高める見直しを進めています。  これまでに対象となる108河川のうち、78河川で見直しを完了し、残る河川についても平成31年度までに完了させ、ハザードマップを作成する市町村に速やかに結果を提供します。  次に、浸水想定区域の周知についてです。  県はこれまで、出水期の前などに、ホームページのトップページや広報ツイッターを活用した浸水想定区域の周知に努めており、平成30年7月豪雨後は、かなチャンTVやマイME-BYOカルテの情報発信機能も活用するなど、県民の皆様により広く伝わるよう、取り組みを一層強化しています。  こうした取り組みにより、浸水想定区域のページへのアクセスがふえるなど、効果が確認できたことから、今後も最大限活用します。  また、現地で浸水想定区域を確認していただくことも効果があるため、大河川である相模川、酒匂川において、区域を示した看板の設置を進めており、今後は中小河川においても順次設置を進めます。  さらに、ご自宅の浸水リスクの確認を促すため、チラシを作成し、災害対策に関する連携協定を締結しているコンビニエンスストアなどに配架します。  県は洪水浸水想定区域の見直しを早期に完了させ、ハザードマップを作成する市町村と連携し、県民の皆様に災害リスクをしっかりと確認していただくことで、大規模水害から住民の逃げおくれゼロを目指します。  私からの答弁は以上です。  〔警察本部長(古谷洋一)発言の許可を求む〕 ○副議長(齋藤健夫) 古谷警察本部長。 ◎警察本部長(古谷洋一) 横断歩道に近接するバス停留所の安全対策についてお答えをいたします。  まず初めに、現在までの取組経過についてお答えをします。  県警察におきましては、今回の痛ましい事故が発生した翌日から、県内全域を対象としまして、今回の事故発生現場同様に横断歩道に近接して設置されているバス停留所の調査を開始いたしました。  その結果、危険性が認められる84カ所のバス停留所について、危険度が高い順にA、B、Cの3段階に分類し、昨年11月に公表いたしますとともに、昨年12月にはバス事業者や関係機関と合同で現地診断を行ったところです。  現在は、バス事業者等と連携しつつ、横断歩道とバス停留所の距離を適切に確保することを基本として、バス停留所の移設等の安全対策を進めているところであります。  次に、安全対策実施上の課題と対応策についてお答えいたします。  安全対策実施上の課題につきましては、バス停留所の移設に際して、利用者が安全にバスを待つことのできる適切な移設場所が見つからない、あるいはバス停留所の移設について、周辺住民の方々の合意形成が得られないなどの理由によりまして、安全対策が速やかに講じられないバス停留所が一定数存在するということであると考えております。  こうしたバス停留所につきましては、立て看板の設置などの短期的な安全対策が講じられておりますけれども、県警察としましては県民の安全と安心を確保するため、バス停留所等を移設するなどの抜本的な安全対策を講じ、速やかに危険な状態を解消する必要があると考えております。  そこで、県警察におきましては、今年の3月、関係警察署、関係機関、バス事業者の担当者を一堂に集めまして、合同検討会を開催することを予定いたしております。  この合同検討会におきましては、各担当者が情報を共有し、今後の取り組みの参考となるように、取り組みの好事例の発表、安全対策が速やかに講じられていないバス停留所への取り組みについての検討を行うことといたしております。  県警察におきましては、横断歩道とバス停留所の距離を適切に確保することを基本方針といたしまして、引き続き関係機関、事業者と緊密に連携しつつ、総合的な安全対策を推進してまいりたいと考えております。  以上でございます。  〔斉藤たかみ議員発言の許可を求む〕 ○副議長(齋藤健夫) 斉藤たかみ君。  〔斉藤たかみ議員登壇〕 ◆斉藤たかみ議員 知事、県土整備局長、そして警察本部長からそれぞれご答弁をいただきました。  まず、1点、再質問させていただきます。  洪水浸水想定区域の見直しと周知についてでございます。  洪水浸水想定区域の見直しについては、対象となる108河川のうち、78河川で見直しを完了し、残る河川についても、平成31年度までに完了させるという答弁でありました。  具体的には、年度内のいつまでに終える予定かをお伺いいたします。  〔県土整備局長(鈴木祥一)発言の許可を求む〕 ○副議長(齋藤健夫) 鈴木県土整備局長。 ◎県土整備局長(鈴木祥一) 再質問にお答えします。  県は平成31年度の洪水浸水想定区域の見直し完了に向け、現在、30河川で検討を進めています。  見直し作業に当たっては、浸水が広範囲に及ぶ河川などから順次進めており、本格的な台風シーズンまでに大河川である相模川、酒匂川につながる支川など10河川を、残る20河川についてもできるだけ早期に完了できるよう取り組んでまいります。  以上です。  〔斉藤たかみ議員発言の許可を求む〕 ○副議長(齋藤健夫) 斉藤たかみ君。  〔斉藤たかみ議員登壇〕 ◆斉藤たかみ議員 県土整備局長から再質問のご答弁をいただきました。  水害リスクをしっかりと周知するためには、まずは見直しを早急に進める必要がありますので、今ご答弁いただきましたスケジュールどおりにしっかりとそれを完了させていくよう求めておきます。  また、周知に関してですが、先ほどマイME-BYOカルテのお話もございました。登録者数がLINEとの包括協定締結以降、爆発的に伸びたという事実をもってしても、我々の日常生活にLINEという存在が身近にあるということのあらわれだと考えております。ぜひLINEというツールのますますの活用というのも視野に入れて、県民に対する水害リスクの周知に努めていただきますよう要望いたします。  それでは、数点要望させていただきます。  生活に困窮する方々が利用する無料低額宿泊所についてでございます。  厚生労働省の検討会で議論されております無料定額宿泊所における、いわゆる簡易個室ですが、安全性やプライバシー確保の観点から、私は問題があると考えております。  知事も問題意識として、問題があると先ほど答弁いただきましたので、今なおこのような劣悪な環境下に置かれている生活に困窮する方々が存在するという意識を持って、実態の把握、そして一層の調査、指導に努めていただきますよう要望いたします。  次に、横断歩道に近接するバス停留所の安全対策についてです。  バス停留所の移設等は、バス事業者が責任を持って行っているということは承知しております。先ほど警察本部長のほうから、検討会の立ち上げという具体的なお話が出ましたので、一歩前進していくことを期待したいと思います。  先ほど申し上げましたような悲惨な事故を起こさないためにも、横断歩道に近接するバス停留所の安全対策について、今後も引き続きしっかりと取り組んでいただきますよう要望をいたします。  〔斉藤たかみ議員発言の許可を求む〕 ○副議長(齋藤健夫) 斉藤たかみ君。  〔斉藤たかみ議員登壇〕 ◆斉藤たかみ議員 質問の第2は、県政の諸課題についてでございます。  まず、本県に影響を与える税制改正について伺います。  〔資料提示〕  本県財政は、県税収入が歳入全体の約6割を超えており、他の府県と比べても自主財源の割合が高いことが特徴となっております。  しかしながら、そのような本県であっても、法人県民税や事業税も主たる税源であることから、景気の動向に大きく左右される不安定な税収構造となっていることに加え、年度ごとに行われる税制改正による影響も避けられないものとなっております。  これまでの税制改正を振り返れば、自動車取得税におけるエコカー減税や個人県民税におけるふるさと納税のように、県財政にマイナスをこうむるような改正が繰り返し行われてきており、平成31年度税制改正についても、本県の税収に大きな影響を与えかねない要素が含まれていたため、注視しておりました。  以前の代表質問で、私のほうから質問させていただきました自動車関係税制については、県税である自動車税の税率を大幅に引き下げるよう、自動車関係団体や経済産業省などが強く要請する中、地方自治体や総務省も地方財源の確保という面から声を上げていたものと承知しております。  このような議論を受けて、昨年12月21日に閣議決定された平成31年度税制改正の大綱では、自動車税種別割の税率を恒久的に引き下げることとされた一方で、地方税財源の確保のための方策も講じられることとされておりまして、結果として、減税相当分の地方税財源が確保されたところであります。  また、本年10月の消費税率の引き上げと同時に地方法人特別税を廃止された後の新たな偏在是正措置についても活発な議論が行われましたが、昨年第3回県議会定例会で、知事からは、この措置によって県としては増収となる見込みとの答弁がありました。  このように、平成31年度税制改正が県財政に大きな影響を与えないような内容で取りまとめられたことについては、胸をなでおろす思いもありますが、一方で、これまで税制改正で受けた本県へのマイナス影響を考えると、そうとばかりは言っていられないと考えております。  本県においては、財政健全化に向けたさまざまな取り組みを進めておりますが、一たび以前のような本県にマイナスの影響を与える税制改正が行われれば、その努力の効果も削がれてしまう懸念があります。  そこで、知事にお伺いいたします。  平成31年度税制改正の内容について、どのように評価をしているのか、お伺いいたします。また、今後、県財政にマイナス影響をもたらすような税制改正が繰り返されることのないよう、県としてどのように取り組んでいかれるおつもりなのか、あわせてお伺いいたします。  次に、業務アシスタントについて伺います。  教員の多忙化は生徒にも大きな影響を与える深刻な問題であることから、その解消に向け、これまで我が会派は、この問題について、県議会において幾度となく取り上げてまいりました。  国では本年1月に、中央教育審議会が教員の働き方改革に関する総合的な方策について答申を出したところでありますが、本県においても、これまで教員の働き方改革、とりわけ多忙化の解消に向け、さまざまな対策を講じていることは承知しております。  中でも、今年度に我が会派からの要望も踏まえ、教員以外の者でも行える業務を担う業務アシスタントを、特別支援学校を含む全県立学校172校に配置したことについては評価しているところであります。  しかしながら、私はこの業務アシスタントについては、全県立学校に配置したらそれで終わりではないものと考えており、今後も、より効果的かつ効率的な配置、運用に県教育委員会として取り組んでいくべきと考えております。  また、県立学校が抱えている課題は多種多様であり、業務の効率化が予想以上に進む学校もあれば、なかなか教員の多忙な状況が改善されない学校も出てくるのではないかと危惧をしております。  加えて、学校の規模によってアシスタントの担う業務の内容や量も異なることから、必ずしも1校に1人のアシスタントの配置ということにはこだわらず、柔軟な配置を検討してもよいのではないかと考えております。  今回提案されております平成31年度当初予算案では、教員の働き方改革の推進のための施策の中で、この業務アシスタントについては、昨年度に引き続き、約5億3,000万円の予算が計上されております。  言うまでもなく、非常に多額な予算案であることから、県教育委員会としましては、県民の皆様の理解を得るためにも、業務アシスタントがどの程度教員の多忙化解消につながっているかをしっかりと検証しながら、その効果を一定程度見える化した上で、教員の多忙化解消に向け、一層の努力をしていく必要があると考えます。  そこで、教育長にお伺いいたします。  業務アシスタント配置の効果をこれまで具体的にどのように検証してきたのか、また今後、業務アシスタントの効果的かつ効率的な運用をどのように進め、教員の多忙化解消につなげていかれるおつもりなのか、教育長のご所見をお伺いいたします。  次に、民間企業における障がい者雇用の質の向上に向けた就労環境整備について伺います。  〔資料提示〕  県では「ともに生きる社会かながわ憲章」を定め、障害者の社会参加などに向けた取り組みを進めているところでありますが、そのためには、障害者の方々が企業等において持てる力を発揮し、安心して働くことができるよう、障害者雇用の促進を図っていくことが必要であると考えております。  昨年、本県でも障害者雇用者数や雇用率の報告誤りが発覚し、特に教育委員会における障害者雇用率は法定雇用率を大幅に下回り、民間企業に範を示す立場にある行政として、一刻も早い解消が求められているところであります。  一方で、県内の民間企業における障害者雇用の状況を見てみますと、障害者雇用率は、平成29年6月1日現在で1.92%と法定雇用率を下回っており、全国平均の1.97%をも下回っております。  また、昨年4月には法定雇用率が引き上げられており、さらなる取り組みが求められているところであります。  こうした中、ともすれば雇用率を上げることに関心が向きがちではありますが、忘れてならないことは、実際に企業で働く障害者の方々がその能力に応じ正しく評価され、持てる力を発揮できるような就労環境を整備し、雇用の質の向上を図っていくことが重要であり、それを通じ、企業側も生産性の向上が図られるなど、障害者の方々と企業とのウイン・ウインの関係が構築されると考えております。  そこで、知事にお伺いいたします。  民間企業における障害者雇用の質の向上に向けた就労環境の整備について、今後どのように進めていこうとしているのか、ご所見をお伺いいたします。  最後に、若年層に対する自殺対策について伺います。  警察庁の統計による2018年の全国の自殺者数は、速報値で前年より723人少ない2万598人で9年連続の減少となったことが本年1月に厚生労働省から公表されました。  自殺者が急増した1998年以降、2011年まで14年連続して自殺者が3万人を超えていた状況から比べると、自殺者の総数は大幅に減少しつつあるとはいえ、いまだ年間2万人以上の多くの方々がとうとい命をみずから断っている状況は考えさせられるものがあります。  私自身、県議会において幾度となく自殺対策や鬱病対策について政策提言を行ってまいりましたし、さまざまな要因で負ってしまった心の傷を癒やし、明るく、前向きに生きていける社会を構築していくことこそが、真に知事の掲げる県民のスマイルや笑顔につながるという思いからグリーフケアの普及など、県民の心のケアやサポートの重要性も強く訴えてきたつもりでおります。  本県では、人口10万人当たりの自殺者数である自殺死亡率は、2018年の速報値で12.2となっており、これは全国47都道府県中2番目に低くなっており、目に見える成果が出ていることから、これまでの本県の自殺対策については高く評価するところであります。  しかしながら、全体の自殺者数が減少傾向にある中、若年層に焦点を当ててみると、全国の19歳以下の自殺者数は横ばい傾向が続いており、新聞報道によれば、2018年11月までの暫定値のデータは、未成年の女性の自殺者は前年同期よりも増加しているとのことであります。  未来を担う未成年の自殺者が減っていないということは深刻な状況であり、県としても、若年層にターゲットを絞って、例えば、若年層のコミュニケーション方法の変化に対応し、SNS等を活用するなど、きめ細やかな対応が必要となると考えます。  そこで、知事にお伺いいたします。  本県の若年層の自殺の状況についてお伺いいたします。また、今後、若年層に対する自殺対策にどのように取り組んでいかれるおつもりなのか、ご所見をお伺いいたします。  以上です。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○副議長(齋藤健夫) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) 県政の諸課題について、何点かお尋ねがありました。  まず、本県に影響を与える税制改正についてです。  平成31年度の税制改正では、自動車税や地方法人課税、ふるさと納税などについて、幅広く見直しが行われています。  まず、自動車税については、自動車ユーザーの負担を軽減するため、恒久的な減税が行われますが、グリーン化税制等の優遇税制の見直しなどにより、減税規模に見合う代替財源が確保されることとなりました。  また、地方法人課税では、法人事業税の一部を地方譲与税として都道府県に再配分する見直しが行われます。自主財源である地方税を譲与税化することは決して望ましいことではありませんが、今回の見直しは人口を基準として、法人活動の実態に沿った形で税収を再配分するものであり、税収偏在の是正を図る上ではやむを得ないものと考えています。  なお、この見直しにより、本県財政には平年度ベースで180億円程度の増収効果があるものと見込んでいます。  このほか、ふるさと納税については、寄附額に対する返礼品の割合を3割以下とし、地場産品に限定するなどの見直しが行われ、行き過ぎた返礼品競争の適正化が図られることとなります。  このように、平成31年度税制改正は地方財政に配慮しつつ、これまで地方税制上の懸案とされてきた課題に決着を図る内容となっており、一定の評価をしています。  しかしながら、地方の仕事量に合った税源が確保されていないという抜本的な課題は依然として解決されていません。  また、かつて、エコカー減税が毎年のように拡充され、自動車取得税の大幅な減収につながったように、今後の税制改正の内容によっては、県財政に大きなマイナス影響が生じかねません。  県としては、今後とも、税制改正の動向を注視し、全国知事会などと連携しながら、地方税財源の充実、確保が図られるよう、機を逃さず、働きかけを行ってまいります。  次に、民間企業における障害者雇用の質の向上に向けた就労環境整備についてです。  障害者雇用の促進に当たっては、雇用の場をふやすとともに、障害者が職場において、能力を発揮できる環境を整備していくことが大変重要です。  県では、障害者雇用促進センターが企業を訪問し、例えば少しずつ業務の範囲を広げていくといった、能力を発揮しやすい仕事の仕方や、適正な賃金体系の構築といった適切な処遇の必要性について説明するなど、障害者の働きやすい職場環境整備を促しています。  また、雇用に際し、賃金体系等の見直しを行おうとする企業に対しては、社会保険労務士を派遣し、専門的な見地から助言を行っています。  今後は、ともに生きる社会の実現に向け、より多くの企業が就労環境の整備の重要性を認識し、取り組んでいただくことが大切です。  そこで、来年度新たに企業が障害者を雇用し、十分に能力を発揮してもらうことで、企業と障害者双方にプラスになるよう、障害者雇用の要点をコンパクトにまとめた企業向けガイドブックを作成したいと考えています。  ガイドブックには、障害者雇用の検討段階から、募集、採用、職場への定着までの一連の流れとそれぞれの段階ごとに取り組むべきポイントや活用できる支援策をわかりやすく記載するなど、障害者雇用率制度の対象となるすべての企業が日ごろから参照できるよう工夫していきます。  また、企業を対象に障害者の働きやすい職場づくりをテーマとして、取組事例の紹介やグループワークなどから成る実践的なセミナーを新たに開催することも検討していきます。  こうした取り組みを通じて、企業に障害者が能力を発揮できる就労環境の整備を促し、雇用の質のさらなる向上を図ってまいります。  最後に、若年層に対する自殺対策についてです。  県では、自殺で亡くなる方を一人でも減らすため、こころの電話相談のフリーダイヤル化や自殺の危機を示すサインに早い段階で気づき、寄り添うゲートキーパーの養成などの自殺対策に取り組んできました。  その結果、県内の自殺者数はピークである平成23年の1,852人から、昨年の速報値では1,119人と約700人減少しました。  そうした中、若年層については、特に10歳代の自殺者数が年間30人前後と横ばいであり、対策の強化が必要と考えています。  そこで、県では、若者が親しみやすいSNSを活用した支援を進めることとし、昨年度に続き、自殺対策強化月間である3月に、ツイッターで自殺につながるキーワードを投稿、検索した際に、専門の相談窓口を表示する取り組みを行います。  今回は新たに一人でも多く相談につながるよう、スマートフォンの画面をタッチすれば相談窓口に電話がかかる工夫をしていきます。  こうした取り組みの実施状況などを踏まえ、ツイッターなどSNSの積極的な活用について、さらに検討を進めていきます。  また、スマートフォンで簡単にストレスチェックができるこころナビかながわの利用を呼びかけるため、通学生の多い路線バスの車内で動画を流します。  さらに、より多くの若者が身近な友人などの変化に気づき、適切に対応できるよう、大学と連携してゲートキーパーの養成研修を充実していきます。  未来ある若者が自殺で命を落とすことがなくなるよう、今後もしっかりと取り組みを進める必要があると考えています。  私からの答弁は以上です。  〔教育長(桐谷次郎)発言の許可を求む〕 ○副議長(齋藤健夫) 桐谷教育長。 ◎教育長(桐谷次郎) 教育関係についてお答えします。  業務アシスタントについてです。  まず、業務アシスタント配置の検証ですが、昨年10月に、県立学校の副校長、教頭、教諭等、約500人を抽出し、その効果についてアンケートによる調査を実施しました。  その結果、489名から回答があり、うち週平均2回以上、業務アシスタントを活用している219名の教員からは、約88%が役に立っている、約11%がどちらかというと役に立っているとの回答を得ています。  また、これらの教員の勤務時間の変化については、時間外業務の縮減につながったが約53%、土日の出勤回数や出勤時間の縮減につながったが約13%との回答でした。  こうしたことから、配置後6カ月程度の期間ではありますが、業務アシスタントの配置が教員の多忙化解消に一定の役割を果たしていると受けとめています。  しかし、今回の調査からは、業務アシスタントの活用について、毎日活用している教員がいる一方で、回答者の約半数が余り活用できていないという、教員間で活用の頻度に差があるなどの課題も見えてきました。  こうした課題を解消していくためには、教員が個別に業務アシスタントに仕事を依頼するのではなく、管理職が教員から業務アシスタントに依頼する業務を集約し、優先順位を定めて依頼するといった運用が必要です。  そこで、配置から1年を経過しますので、これまでの各校の業務アシスタント活用事例のうち、効果的な事例を取りまとめ、各校に徹底していきます。  そして、今後、県教育委員会として取りまとめていく本県教員の働き方改革全般に関する方策の中にこの業務アシスタントの活用を位置づけ、教員業務の精選などの対策とあわせて総合的に取り組むことにより、教員の多忙化解消につなげてまいります。  以上でございます。  〔斉藤たかみ議員発言の許可を求む〕 ○副議長(齋藤健夫) 斉藤たかみ君。  〔斉藤たかみ議員登壇〕 ◆斉藤たかみ議員 知事、教育長からそれぞれご答弁をいただきました。  まず、1点、再質問をさせていただきます。  業務アシスタントについてでございます。  業務アシスタント配置の効果について、教職員を対象に調査を行って検討してきたことは理解いたしました。それなりの効果は見られるというお答えでありますけれども、まだまだ課題もあると、そういった認識であったと思います。  先ほど私のほうから申し述べさせていただきましたように、私はアシスタントの配置というのは必ずしも1校に1人と決めつける必要はないのではないかと考えております。  というのも、なぜなら学校によっては規模も生徒数も違っておりますし、例えばこの学校にはアシスタント2人、この学校にはアシスタント1人、もう一つの学校には、例えば日々雇用で対応可能、こういったような柔軟な発想も必要ではないかと思っております。  全体からして見れば、また、学校側からしてみれば、1校に1人配置するということは平等に見えるかもしれませんが、一方で、実際に働いている業務アシスタントの側からしてみれば、学校ごとに仕事量が違ってきてしまうということ、それはそれで問題ではないかなと考えております。  教員の多忙化解消につながっているという効果を検証する上でも、業務アシスタントの仕事量に大きな差を生じさせないためにも、教職員を対象にしたアンケートだけではなく、実際に働いている業務アシスタントに対してもアンケート調査を行って、その上で効果的かつ効率的な配置を進めていってもよいのではないかと考えますが、その点についてお伺いいたします。  〔教育長(桐谷次郎)発言の許可を求む〕 ○副議長(齋藤健夫) 桐谷教育長。 ◎教育長(桐谷次郎) 斉藤議員の再質問にお答えいたします。  業務アシスタントへの調査を通じて、多面的にその配置の効果を把握することは有効なことと考えていますので、今後、その時期ですとか、方法、これらについて検討しまして、実施していきたいと考えております。  以上でございます。  〔斉藤たかみ議員発言の許可を求む〕 ○副議長(齋藤健夫) 斉藤たかみ君。  〔斉藤たかみ議員登壇〕 ◆斉藤たかみ議員 実施をしていただけるという前向きな再質問のご答弁をいただいたところであります。  教員の多忙化解消は、先ほど来申し上げておりますとおり、喫緊の課題であると考えております。一方で、アシスタント導入に係る予算案というのも5億3,000万円、これもやはり多額であります。  特に教育という分野は、これを導入したから必ずこれが効果的にばっと出てくるというのを証明するのが非常に難しい分野であるということは、私、思っておりますけれども、その精度を高めていく必要性というのはあると思います。  県民の皆様の理解を得るためにも、業務アシスタントがどの程度教員の多忙化解消につながっているのかを今後もより精度を高め、検証していただきたいと思います。  また、その効果を、やはり多額の予算案でありますので、一定程度、県民の皆様の理解を得られるよう見える化した上で、教員の多忙化解消に向けて、一層の努力をしていただきますよう要望いたします。  それでは、数点要望させていただきたいと思います。  本県に影響を与える税制改正についてでございます。  本県にマイナスの影響を与える税制改正が行われれば、これまでの本県における財政健全化施策の努力も削がれてしまう懸念があります。これは私も先ほど述べさせていただいたとおりでありますけれども、ぜひとも今後もアンテナを張って、国の流れにおいて、このような、本県に影響を与えるような税制改正が行われる気配を感じれば、本県として即座に適切な対応が図れる体制を整えていただきますよう要望いたします。  次に、民間企業における障害者雇用の質の向上に向けた就労環境整備についてでございます。  企業向けのリーフレットを作成するというご答弁がありました。ぜひとも、有効に活用して、民間企業にも障害者雇用の質の向上に向けた就労環境整備に努めていただきたいと思います。  県や教育委員会はもちろんのこと、実際に民間の企業で働く障害者の方々が、その能力に応じ、正しく評価され、持てる力を発揮できるような就労環境の整備、これが何より大切であります。ぜひともご尽力していただきますよう要望いたします。  最後に、若年層に対する自殺対策について要望させていただきます。  私自身、県議会において幾度となく自殺対策や鬱病対策について政策提言を行ってまいりました。また、知事の掲げるスマイル、笑顔というのは非常に重要な要素であると思っておりますが、一度失ってしまった笑顔をしっかり取り戻して、前向きに生きていく、こういった社会をつくる必要が、このスマイルという言葉には隠れているように思います。ぜひとも県民のスマイルにつながる取り組みを進めていっていただきたいと思います。  また、本県の自殺対策については目に見える成果が出ておりますので、これは高く評価しております。  今後も引き続き、命を守る自殺対策にしっかりと取り組んでいただきますよう強く要望させていただきまして、私の一般質問を終了いたします。  ご清聴ありがとうございました。                               〔拍 手〕 △《本会議録-平成31年第1回-20190225-028447-質問・答弁-髙橋稔議員-一般質問①AI及びRPAの導入について②パワハラ等のハラスメント対策について③社会貢献という視点からの寄附について④かながわのSDGsを踏まえた観光施策について⑤認知症疾患医療センターの充実強化について⑥心臓リハビリテーションの環境整備について⑦循環器呼吸器病センターの今後のあり方について⑧入院している県立高校生の学習支援について》   〔髙橋 稔議員発言の許可を求む〕 ○副議長(齋藤健夫) 髙橋稔君。  〔髙橋 稔議員登壇〕(拍手) ◆髙橋稔議員 私は公明党県議団の一員として、通告に従い、順次質問させていただきます。  知事並びに教育長におかれましては、明快なご答弁をよろしくお願いいたします。また、先輩議員並びに同僚議員におかれましては、しばらくの間、ご清聴のほどよろしくお願いいたします。  持続可能な社会を目指してさまざまな取り組みがなされている今日、誰一人取り残さない、ともに生きるという原点に立ち、県民の生命、生活を守るために、多様性を認めつつ、真に持続可能なことに果敢に取り組んでいくことを強く願い、質問させていただきます。  〔資料提示〕  質問の第1は、AI及びRPAの導入について伺います。  RPA─ロボティック・プロセス・オートメーションについては、先行実施している京都府にともに調査に行った亀井議員の昨年9月の代表質問で、本県の業務への導入について伺い、知事からは、今後、実証実験を行った上で導入していきたいと答弁がありました。  本県では、昨年末にかけ実証実験を行い、本年1月に発表された結果報告では、正確性・迅速性・継続性の観点から効果があったと評価しています。この結果を踏まえますと、今後、RPAは県庁の業務に組み込まれ、職員を十分に補助していくものと考えていますが、業務の効率化の観点にとどまらず、県民サービスの向上の観点から、県民の方からの申請や給付業務などについて、RPAを適用していくといった視点も重要だと考えております。  また、国では、AI─人工知能などの先端技術が社会に実装され、ビッグデータを活用し、今までにない新たな価値を生み出し、多様な人々が幸せを実現できる社会であるSociety5.0を目指しています。  一部の自治体では、既にAIについても試行が始まっており、今後は、本県でもAIの導入を検討していくべきと考えます。  このAIの導入に当たっては、昨年末に、内閣府が人間中心のAI社会原則の草案を取りまとめ、AI活用の基本的な考え方を示しております。  AIは人々の多様な幸せの追求を可能にするために活用されるべきことや、AIの利用により不当な差別や扱いを受けたりすることがないように、公平性・透明性のある意思決定と説明責任を適切に行うことなどが盛り込まれており、こうした考え方も踏まえて検討する必要があります。  そこで、知事に伺います。  AI及びRPAの導入に関する現在の取組状況と今後の取り組みの方向性について、所見を伺います。  〔資料提示〕  質問の第2は、パワハラ等のハラスメント対策について伺います。  昨年から、公務、民間を通じて多くのハラスメント問題が報道されており、社会問題となっています。  レスリングや体操といったスポーツ界でパワハラ問題が報道されたほか、セクハラについては、財務省の事務次官が女性記者に対し、セクハラ発言を繰り返したとされ、辞任に至りました。  また、直近の都道府県の事例としては、本年1月18日に静岡県が、課長級の職員が特定の部下に暴言を吐くなどのパワハラを行ったとして、減給10分の1、3カ月の懲戒処分にしたとの報道がありました。  昨年成立した働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律においては、働き方改革の総合的かつ継続的な推進を図るため、働き方改革に係る基本的考えを明らかにするとともに、国は、改革を総合的かつ継続的に推進するための基本方針を定めるとされました。  この基本方針において、職場のハラスメント対策の周知啓発及び自主的な取り組みの支援を進めるとともに、職場のパワーハラスメント防止対策が実効性のあるものとなるよう、その強化に向けた検討を進めるとされています。  さらに、厚生労働相の諮問機関である労働政策審議会が、昨年末に、企業にパワハラ防止措置を義務づけることを柱とした報告書を取りまとめ、政府においては、この報告書の内容を盛り込んだ労働施策総合推進法の改正案を今通常国会に提出する方針としたことを見ても、パワハラ防止は今国会の重要テーマと考えております。  健康経営の旗振り役として取り組みを進めている本県においては、こうした国の動きに先駆け、パワーハラスメントの防止等に関する指針を策定し、ハラスメント防止対策を進めていることは承知しておりますが、専門家による研修を取り入れるなど、さらなる取り組みを進めるべきと考えております。  専門家の研究を見てみますと、アンガーマネジメントという心理療法プログラムがあります。このアンガーマネジメントの目的は、怒りが深刻な問題にならないようにうまく制御し管理することとされております。  また、最近の報道によりますと、パワハラを懲戒処分の量定の目安となる懲戒処分の指針に明記している都道府県は7県のみとのことで、本県はセクハラについては明記しておりますが、パワハラは明記しておりません。  パワハラについても懲戒処分の指針に明記することで、一定の抑止効果が期待できるものと考えています。  一方、本県では、部下からの評価であるマネジメント・サポート・システムを行っており、その結果を管理職に提示することで、みずからがパワハラやセクハラをチェックできる仕組みをつくっているとのことであります。  しかしながら、マネジメント・サポート・システムは年1回の実施であり、そのときのチェックには有効ですが、みずからの言動がハラスメントに当たらないかといったことについては、日々チェックする必要があるのではないでしょうか。  民間の建設現場では、事故防止という観点で、スマートフォンで毎日注意すべき点をチェックするといった仕組みがありますが、このような日々チェックする仕組みをハラスメント防止の観点で取り入れることができないかと考えております。  そこで、知事に伺います。  パワハラを防止していくためには、専門家によるハラスメント研修を充実するとともに懲戒処分の指針にパワハラを明記するほか、管理監督者が日常的に自身の言動をチェックする仕組みを取り入れる必要があると考えますが、知事の所見を伺います。  〔資料提示〕  質問の第3は、社会貢献という視点からの寄附について伺います。  ふるさと納税制度は、平成21年度に、自分の生まれ育った地方自治体や、お世話になった地域と応援したい地域の力になりたいという思いを実現するといった趣旨で導入されました。  しかし、制度の浸透とともに、各自治体の過度な返礼品競争が生じ、国も、再三にわたり、制度の趣旨を逸脱することのないよう各自治体に通知してきましたが、ついに抜本的な対策として、通知に違反した自治体をふるさと納税制度から除外するための税制改正法案が現在国会で審議されております。  この見直しについては、その手法や認められる返礼品の定義に一部の自治体から反発があるものの、これまでの返礼品競争の過熱化に一定の歯どめをかけ、特産品が少ない地域が存在することなども考え合わせ、返礼品目的ではない、寄附本来の姿に戻ることが期待され、妥当なものと考えております。  平成30年第3回定例会における我が会派の佐々木議員が代表質問において、返礼品目的ではない、社会貢献という寄附本来の理念に合致した事業で寄附募集をしていくべきだと提案し、知事からは、31年度当初予算編成の過程において、福祉分野など、寄附者の共感を得やすく、その思いを反映できる事業を選定していくとの答弁をいただきました。  当然、寄附金の活用については、事業の選定も大事ですが、寄附者の心を打つような募集についての工夫も必要と考えます。  そこで、知事に伺います。  平成31年度当初予算編成において、社会貢献という視点から、具体的にどのような事業を選定し、どのように寄附募集を行っていくのか、また、今後、寄附文化を醸成していくことについてどのようにお考えなのか、知事の所見を伺います。  〔資料提示〕  質問の第4は、かながわのSDGsを踏まえた観光施策について伺います。  現在、本県は「観光振興計画」の改定に向けて作業を進めておりますが、計画期間である平成31年度からの3年間は、ラグビーワールドカップや東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会といったビッグイベントの開催に当たるため、国内外から数多くの観光客が本県を訪れることが予想されます。  計画期間の3年間は、本県の観光にとっても、まさにターニングポイントとなる重要な時期であり、ラグビーワールドカップや東京2020大会に向けては当然のこと、大会終了後も観光客を持続的に誘客していくための視点を盛り込んだ施策展開も必要であると考えております。  折しも、横浜市は国際旅客船拠点形成港湾として、国際クルーズ拠点に指定されるなど、我が国を代表するワールドクラスのクルーズポートに向けた取り組みを進め、東アジアの発着クルーズの拠点港として整備が進み、一層の飛躍が期待されております。  発着クルーズ拠点ですから、羽田から神奈川県内を訪れ、県内各地を観光し、クルーズ船で出港し、再び戻り、世界へ帰っていくという、いわゆるフライアンドクルーズを展開することも重要で、県内自治体との連携は欠かせないものであります。  一方では、先を見ての戦略とともに持続可能性ということを考えれば、観光によるさまざまな影響も考え、対応していかなくてはなりません。  最近では、例えば、鎌倉市の江ノ島電鉄の踏切で写真撮影を行い、車両の通行の妨げになるなど、観光客のマナーが問題になる事例も発生しております。  また、昨今、台風や地震を初めとする大規模な自然災害の発生により、土地勘のない外国人観光客が被災地に孤立するといったケースも生じています。  こうした社会に及ぼす影響だけでなく、環境にも着目し、地域にとって持続可能な形となるよう観光施策に取り組んでいく必要があるのではないでしょうか。私は、それこそがSDGsの掲げる持続可能な観光であると考えております。  現在、本県が改定を進めている「観光振興計画」においても、入込観光客数をふやすとともに観光消費額総額を高めるための施策が盛り込まれていることは承知しています。  観光産業はさまざまな分野が関連する裾野の広い産業であり、今後、少子・高齢化による人口減少が進む本県において、雇用の創出や地域経済の活性化が期待されており、SDGsに掲げられた働きがいも経済成長も、との目標とも合致しております。  さらに、観光施策も単独で取り組むのでは広がりがありませんが、SDGsの視点から県と県内市町村、民間企業、大学等とより一層連携し、観光客目線に立った施策を進めていくことが重要であり、これはSDGsが掲げているパートナーシップで目標達成しよう、とのゴールにも合致しております。  国においても、持続可能な質の高い観光立国の実現に向けて観光基盤の拡充・強化を図るため、恒久的な財源である国際観光旅客税が創設され、観光振興を後押しする環境整備がなされています。  そこで、知事に伺います。  今後、SDGsの視点を生かして、国内外のさまざまな関係者と連携して、どのように観光施策に取り組んでいこうと考えているのか、所見を伺います。  〔資料提示〕  質問の第5は、認知症疾患医療センターの充実強化について伺います。  高齢化の急速な進展に伴って認知症の人の増加も見込まれ、団塊の世代が75歳以上となる2025年には、全国で約700万人、本県でも約45万人の方が認知症になると想定されており、認知症施策のさらなる充実強化が求められております。  我が党では、他党に先駆けて認知症施策推進基本法案の骨子案を取りまとめ、基本法の早期成立を目指しています。  また、国では、昨年末に認知症施策推進関係閣僚会議が開催され、今年5月ないし6月には、関係省庁からの施策を取りまとめて大綱を作成する予定が示されるなど、現在の認知症施策推進総合戦略─新オレンジプランから、さらに踏み込んだ対策が検討されています。  平成30年第3回定例会においては、我が会派の認知症施策についての質問に対し、知事から、認知症の人の意思を尊重した支援の充実に向け、実効性のある施策展開を図るとの前向きな答弁をいただいたところであります。  これまで、さまざまな認知症施策を進めてきた中で、とりわけ、認知症の専門医療や専門相談を担い、医療と介護の連携拠点である認知症疾患医療センターの役割は、認知症の早期診断・早期対応の体制の充実のために大変重要です。  本県では、昨年度までに、目標であった二次保健医療圏に1カ所以上の認知症疾患医療センターを設置したと承知しておりますが、認知症患者の増加が見込まれる中で、今後はさらに県内の認知症疾患医療センターが中心となり、各地域のかかりつけ医や地域包括支援センター等と連携して、的確に認知症に関する医療と介護の連携強化を進めていくことが必要であると考えております。  そこで、知事に伺います。  認知症の早期診断・早期対応の体制の中心である認知症疾患医療センターの充実について、今後、県としてどのように取り組んでいくのか、知事の所見を伺います。  〔資料提示〕  質問の第6は、心臓リハビリテーションの環境整備について伺います。  昨年12月、心臓疾患や脳血管疾患などの循環器病について、いわゆる循環器病対策基本法が成立いたしました。この法律は、超高齢社会が進展する中、脳卒中、心臓病などの循環器病に対し、迅速かつ適切な医療を提供できる体制の構築等を目指すものと承知しております。  具体的なスケジュール等は示されておりませんが、国や都道府県は、今後、循環器病対策推進のための計画を策定することとされており、その動向に注目しているところであります。  この循環器病の中で、心疾患に着目すると、その患者数は全国で約173万人であり、がん患者数より約10万人多く、死亡原因の第2位となっております。県内の心疾患患者数は約9万8,000人であり、その死亡者は直近の平成29年のデータで約1万2,000人であり、全国同様に増加傾向となっております。  こうした現状を踏まえ、心疾患への医療体制をしっかりと整えていく必要があると考えます。その一つは、専門医療機関での治療体制の整備です。この中には、急速に開発が進んでいるAI─人工知能を活用した画像の診断による早期の発見や、心筋へ細胞シートを張りつける再生医療といった最先端の診断・治療技術の実用化や普及も含まれます。  そして、こうした診断や治療と同様に重要であると考えているのが、心臓リハビリテーションです。心臓リハビリテーションとは、心筋梗塞などの心疾患のある患者が治療後に円滑に生活に復帰し、また再発を防止できるよう、専門人材の指導のもとでリハビリテーションを行うものであります。  脳卒中の患者等が行う、歩行機能を回復させるためなどの機能回復のリハビリテーションとは異なり、食事や睡眠の管理、緩やかな運動、生活習慣の改善など、保健指導に近い部分も多くあります。  心疾患の患者数の増加に伴い、治療後の生活の質の維持に重要な役割を果たすこの心臓リハビリテーションへのニーズも増大していると承知しております。  しかし、心臓専門のリハビリテーションができる施設は、機能回復のリハビリができる施設などに比べてまだまだ少なく、また、ほとんどが大規模病院の中に併設されている状況であります。  今後、心疾患の患者の増加が見込まれることも踏まえ、退院後などに、より身近なところで心臓リハビリテーションの指導が受けられるよう、県は市町村や医療機関などと連携して、その環境づくりを進めていくべきと考えております。  そこで、知事に伺います。  心筋梗塞などの心疾患からの社会復帰や病気の再発防止に向けて重要な役割を果たす心臓リハビリテーションについて、今後の患者の増加傾向なども踏まえ、県としてその環境整備にどのように取り組んでいかれるのか、所見を伺います。  〔資料提示〕  質問の第7は、循環器呼吸器病センターの今後のあり方について伺います。  循環器呼吸器病センターについては、病院機構の中期目標で、今後の病院のあり方について検討するとされており、私も、昨年度の県議会定例会で、循環器呼吸器病センターのあり方を検討する上で、どのような課題認識を持っているのか、また、この検討を今後どのように進めていくのかとの質問を行わせていただきました。  その際、知事から、循環器呼吸器病センターが、今後も医療を取り巻く状況の変化に的確に対応していけるよう、病院機構とともに、将来に向けたビジョンをしっかりと検討していくとの答弁があり、現在、さまざまな検討を行っていると承知しております。  また、医療をめぐる環境は日々目覚ましく進歩しており、これまでの検討の中で整理された課題について迅速に対応するとともに、国の動向を踏まえ、新しい動きを的確に反映してほしいと考えております。  さらに、先ほども述べましたが、循環器病対策基本法の制定は、循環器病を専門とする循環器呼吸器病センターにとって、大変大きな意味を持っております。  循環器病対策基本法には、取り組むべき施策として、迅速かつ適切な医療を提供できる体制を整えることに加え、予防策の充実や専門的な医療機関の整備、研究の推進、循環器病の症例に関する情報収集の強化などが盛り込まれています。  また、高齢化の加速に伴い、循環器病の患者が大幅にふえると想定されることから、たとえ循環器病を発症しても、できるだけ快適に日常生活を送れるよう、息の長い取り組みが求められます。  循環器呼吸器病センターについても、そういった視点を総合的に踏まえ、県立病院としてどのような役割を果たすべきかといった観点から、今後のあり方を検討することが必要ではないでしょうか。  一方、循環器呼吸器病センターの近隣には、大学病院を初め、さまざまな医療機関があり、機能の重複が見られる中で、今後、県民のニーズに合った医療を提供していくためには、特色や強みをしっかりと打ち出すことが重要となります。  特に、来年度は、病院機構の次期中期目標を策定する年であり、県立の高度・専門病院として、循環器呼吸器病センターが将来的にどのような機能や役割を担うべきなのか、県としてもしっかりと考える必要があります。  そこで、知事に伺います。  循環器呼吸器病センターについて、あり方の検討状況を踏まえ、どのように取り組みを進めてきたのか、また、2020年度からの第3期中期目標の策定に当たり、国の新たな動向など、どのような課題認識を持って議論を深めていくのか、知事の所見を伺います。  〔資料提示〕  質問の第8は、入院している県立高校生の学習支援について伺います。  近年、病気やけがなどで入院する児童・生徒の入院期間は、医療の進歩などにより、短縮化する傾向にあると言われています。一方で、小児がんや事故による大けがのように、長期間の入院や短期間の入退院を繰り返す必要のある場合や、退院後の通院や自宅療養が必要である場合などについては、その多様な状況に対応した学習の支援が求められております。  例えば、小中学校においては、いわゆる院内学級と言われる小中学校に準ずる教育を行う特別支援学級や、特別支援学校への転籍・転校などの対応をした上で、病院との連携により、病状等に応じた教育が行われています。  一方で、高校生に対するこのような教育支援については、小中学校に比べると全国的にもまだまだ手薄であり、場合によっては、退学や留年を余儀なくされるといったケースも多く、その課題への対応が求められています。  また、長期入院の代表的な要因となっている小児がんは、今や七、八割が治るとされる中、入院中の教育が十分に受けられずに、退院後の進路決定などに苦しんでいる親子も多いと伺っております。  このように高校生の対応がなかなか進まないのは、義務教育とは異なり科目が多いことや、単位取得に一定の出席と成績が必要であることから、教えられる教師や時間の確保が難しいことなどが要因であると聞いております。  こうした中、本県においては、入院している県立学校の生徒の学習支援に、平成26年度から全国に先駆けて取り組んできました。具体的には、病気やけがで長期入院しても学業継続の意思がある生徒の学習機会を確保するセーフティネットとして、県教育委員会が在籍校の教員や非常勤講師を病室に派遣する仕組みを整えており、私としても一定の評価をしているところであります。  先ごろ、我が党の参議院議員の質疑を受け、国においても、平成31年度の新規事業として、高等学校段階における入院生徒に対する教育支援事業を実施すると発表し、ようやくではありますが、この課題に着手することになりました。  このような動きを踏まえ、SDGs先進県の神奈川として、教育においても誰一人取り残さないために、今後、入院している生徒の学業継続はもとより、生徒が再び学校生活を送れるようになった場合の進級や卒業に向け、生徒の病状や希望等を踏まえた学習支援の、より一層の充実を図っていくことが必要と考えます。  そこで、教育長に伺います。  入院している県立高校生の学習支援について、誰一人取り残さないという視点から、これまでの本県での取り組みを踏まえ、今後の支援の方向性についてどのように考えておられるのか、所見を伺います。  以上をもちまして、私の第1回目の質問を終わります。  ご清聴ありがとうございました。                               〔拍 手〕  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○副議長(齋藤健夫) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) 髙橋議員のご質問に順次お答えしてまいります。  初めに、AI及びRPAの導入についてお尋ねがありました。  まず、現在の取組状況についてです。  AI─人工知能は学習機能を持ち、データに基づいて自立的に現状把握や将来予測を行うなど、高度な業務への活用が可能ですが、導入に当たっては、学習の蓄積や精度の向上のために一定の時間と労力が必要とされています。  そこで、こうしたAIの特性を踏まえ、県の業務への活用の可能性や課題について、事業者へのヒアリングを実施するなど、検討を進めてきました。  一方、RPA─ロボティック・プロセス・オートメーションは、典型的なパソコン作業をソフトウエアロボットを活用して自動化するもので、大量で反復継続する単純業務に適しており、比較的導入がしやすいと言われています。  県では、昨年9月から12月にかけて、通勤手当の認定業務と災害時の職員の配備計画作成業務について実証実験を行い、その結果、正確性や迅速性など、具体的な効果が確認できました。  こうしたAIやRPAの導入は、働き方改革を進める上でも大きな効果があるものと考えています。  そこで、現在、働き方改革推進本部のもとに、全庁横断的なプロジェクトチームを立ち上げ、県の業務への幅広い活用について検討を進めています。  今後、AIについては、まずは問い合わせへの自動応答や自動翻訳、議事録作成などの業務への活用について、具体的な検討に着手し、順次拡大を図っていきたいと考えています。  また、RPAについては、現在、導入可能な業務の洗い出しを行っており、今後、対象業務を選定した上で、来年度中の本格導入を目指してまいります。  次に、パワハラ等のハラスメント対策についてお尋ねがありました。  本県では、ハラスメントのない職場づくりに向け、平成27年にパワーハラスメントの防止等に関する指針を策定し、さまざまな対策に取り組んでいます。  具体的には、働き方改革の一環として、職場での朝夕ミーティングを徹底し、上司と部下、同僚同士のコミュニケーションを深め、ハラスメントの起こりにくい職場づくりに努めています。  また、パワハラは本人が意識せずに行うこともありますので、管理監督者がみずからのマネジメントの問題点を認識し、改善する気づきの機会として、毎年度、部下が上司を評価するマネジメント・サポート・システムを実施しています。  こうした取り組みに加え、今年度は所属長点検として、パワハラを発生させないための留意事項をチェックリストにまとめ、所属長みずからが履行状況を定期的に点検しています。  職場におけるパワハラは相手の人格や尊厳を傷つけるだけでなく、組織運営にも悪影響を及ぼしますので、決して起こしてはなりません。  そこで、今後は、懲戒処分の指針を改正し、パワハラに対する懲戒処分の基準を明記し、抑止につなげていきたいと考えています。  また、幹部職員を対象に、専門家によるパワハラ防止研修を実施し、幹部職員の意識の醸成を図ってまいります。  さらには、みずからの言動がパワハラに当たるか否かを日常業務の中でチェックできるような新たな仕組みについても検討していきたいと考えています。  こうしたさまざまな取り組みを行うことで、職員、特に管理監督者のパワハラに対する意識を高め、ハラスメントのない明るく風通しのよい職場づくりに取り組んでまいります。  次に、社会貢献という視点からの寄附についてお尋ねがありました。  まず、寄附の対象事業についてです。  本県では、これまでも社会貢献の視点から、ペットのいのち基金やまなびや基金などを設置して寄附を募ってきましたが、来年度からは、こうした寄附募集をさらに拡充し、新たに三つの事業を寄附の対象とする予定です。  具体的には、福祉分野の事業として、児童福祉施設に入所している児童が楽しく、生き生きと過ごせるよう、スポーツ用具などを購入するほか、スポーツ分野の事業として、障害者スポーツの推進のため、競技用車椅子などを購入したいと考えています。  このほか、教育分野の事業では、県立学校のグラウンドの一部芝生化に寄附金を活用したいと考えています。  また、これらの事業への寄附募集に当たっては、寄附者の心に響くわかりやすいキャッチフレーズでPRするなど、共感を得られるような工夫をしてまいります。  次に、今後の寄附文化の醸成についてです。  寄附は、さまざまな社会的課題の解決に寄附者が主体的に参画できる重要な手段であり、これが文化として醸成されれば、寄附を通じた社会貢献の輪が大きく広がっていくものと思われます。  県としては、今後とも、多くの方々に共感いただけるような事業を寄附の選択肢としてふやしていきたいと考えています。  また、いただいた寄附金については、寄附者の社会貢献の思いにしっかりと応えられるよう、事業のさらなる充実に活用するとともに、その成果についても広く周知を図り、寄附文化の醸成につなげてまいります。  次に、神奈川のSDGsを踏まえた観光施策についてお尋ねがありました。  今年度改定する「観光振興計画」では、SDGsに掲げられた持続可能な観光の実現をコンセプトとして、東京2020大会後も地域経済を活性化し、雇用創出につなげるため、観光消費額を引き上げる取り組みを推進していく予定です。  観光関連の取り組みは、非常に裾野が広いことから、SDGsの目標8、働きがいも経済成長も、に資することはもとより、他の多くの目標にも貢献できる潜在力があると考えます。  例えば、かながわ国際ファンクラブ会員の留学生が地域の方々とともに観光ボランティアとして活動することで、おもてなしの向上のみならず、地域における国際交流や多文化理解が図られ、SDGsの目標4、質の高い教育をみんなに、につながります。  また、アンテナショップかながわ屋で魅力的な県産品をPRすることは、消費者が生産者を身近に感じ、食への理解を深めることになり、SDGsの目標12、つくる責任、使う責任につながります。  さらに、観光客の安全・安心の確保のため、事業者の外国人観光客等への災害対応体制を整備していくことは、SDGsの目標11、住み続けられるまちづくりを、につながります。  一方で、持続可能な観光の実現のためには、安定した財源の確保が重要であり、国において、国際観光旅客税が創設されたことから、県としては自治体や民間事業者がより使いやすい制度となるよう、関係者の意見を踏まえながら、要望していきます。  県は、こうした取り組みをSDGsの目標17、パートナーシップで目標を達成しようの理念に沿って、市町村、民間企業、大学、NPO等の観光にかかわり得る国内外のさまざまな関係者との連携を深めながら推進し、持続可能な観光の実現を目指してまいります。  次に、認知症疾患医療センターの充実強化についてお尋ねがありました。  認知症の未病状態の改善や進行を緩やかにするためには、早期にその症状に気づき、的確な診断に基づいた対応ができる体制の整備が必要です。  そのため、認知症の方に対する専門的な相談や病状の詳細な診断、また、かかりつけ医等への支援を行う認知症疾患医療センターは、地域の認知症支援の中心的な機関として、その役割は大変重要です。  県では、これまでに認知症疾患医療センターを二次保健医療圏に1カ所以上となる12カ所設置しました。また、今年度からは、指定都市を含む県内すべてのセンターによる連絡会議を開催し、課題の共有などを通じて、各センターの充実を図っています。  しかし、今後、高齢化に伴い、認知症患者の増加が見込まれる中、認知症疾患医療センターには、認知症における医療と介護の連携拠点としてのさらなる機能強化が求められています。  そこで、県では、各センターの機能を強化するため、来年度、事業評価を実施します。  この事業評価では、まず、各センターが実施している相談や診断、かかりつけ医との連携の実態などを客観的な指標により見える化し、強みや課題を自己評価します。あわせて、認知症サポート医や地域包括支援センター等の関係機関による外部評価を行い、その結果を踏まえて神奈川県認知症対策推進協議会の支援を受け、各センター機能の改善や強化を進めます。  県としては、こうした取り組みを認知症の方やご家族の視点に立って進め、認知症疾患医療センターの充実強化を図るとともに、認知症の未病改善を推進し、誰もが安心して暮らすことのできる共生社会の実現に向けて、しっかりと取り組んでまいります。  次に、心臓リハビリテーションの環境整備についてお尋ねがありました。  心筋梗塞などの心疾患は生命にかかわるだけでなく、慢性心不全など、再発を繰り返して、徐々に身体機能が衰え、生活の質を大きく低下させるものです。  こうした心疾患に対して、心臓リハビリテーションを行うことは、もとの生活にスムーズに戻し、かつ体質を改善させ、再発を防ぐために大変有効なものであると考えています。  そうした中、県内で心臓リハビリテーションを実施する医療施設は50施設ありますが、人口10万人当たりで見ると、全国平均が0.9施設であるのに対して、本県は0.5施設と少なくなっています。  また、心臓リハビリテーションは食や運動などの生活習慣全般の見直しをサポートするため、管理栄養士や理学療法士など、多様な職種が連携する必要がありますが、現状ではこうした担い手が不足しています。  さらに、地域医療を支える診療所や薬局など、幅広い医療関係者の間で、この仕組みに対する理解を深めていく必要があります。  そこで、県では、昨年3月に改定した「神奈川県保健医療計画」の中に心臓リハビリテーションを位置づけ、多職種による推進や担い手の育成、実施施設の拡大に向けた方策について、市町村や医療機関と連携して検討を行っています。  そうした中で、来年度には、心臓リハビリテーションを行う病院について、地域連携を一層推進するため、理学療法士などのチームづくりや、地域のかかりつけ医などを対象とした研修など、モデル的な取り組みについて支援する予定です。  こうした取り組みを市町村や医療機関等と連携して着実に進めることで、県民の皆様がより身近なところで心臓リハビリテーションの指導を受けることができる環境を整えていきたいと考えています。  最後に、循環器呼吸器病センターの今後のあり方についてお尋ねがありました。  循環器呼吸器病センターは、今後さらに多様化する患者ニーズに応えるため、地域の医療機関との連携や役割分担のもと、専門性やチーム医療といった強みを生かした医療の提供が重要と考えています。  そこで、今後の病院のあり方の検討を進めながら、多職種による専門的な治療を行い、地域の医療機関と連携し、継続的に患者を支援する間質性肺炎センターを開設するなど、先駆的な取り組みを進めています。  そうした中、今後、循環器疾患を抱えた高齢者の増加が見込まれることから、国は昨年12月に循環器病対策基本法を制定し、医療提供体制の整備とともに、重症化の防止や症例データの収集など、新たな取り組みを進めることとしました。  循環器呼吸器病センターでは、これまでも不整脈の一種である心房細動の専門センターや、胸が痛いなどの症状に対応する共通外来を開設するなど、症状が重症化する前に早期に治療につなげる取り組みを行ってきました。  さらに、症例データについても、県内大学病院などと連携して、県全域の急性心筋梗塞の発生状況を網羅するかながわ循環器疾患レジストリーを構築して、データの登録、蓄積を行っています。  蓄積されたデータは企業から利用希望が寄せられるなど、注目されており、今後の循環器疾患の医療提供体制の充実や研究への活用が期待されます。  循環器呼吸器病センターは引き続き病院の専門性や強みを生かした医療を提供しながら、多様化する患者ニーズや医療をめぐる新たな動きに対応できるよう検討を続けていきます。  県としても、来年度の次期中期目標策定に当たり、循環器呼吸器病センターが新たな課題に対応し、県立病院として県民の皆様や地域の期待に応えていけるよう、病院機構とともに議論を深めていきたいと考えています。  私からの答弁は以上です。  〔教育長(桐谷次郎)発言の許可を求む〕 ○副議長(齋藤健夫) 桐谷教育長。 ◎教育長(桐谷次郎) 教育関係についてお答えします。  入院している県立高校生の学習支援についてです。  県教育委員会では、平成26年度から県立高校生が病気やけが等で入院した場合、本人、保護者の申し出に基づき、病院等へ在籍校の教員等を派遣する制度を設けています。  この制度では、生徒が学習におくれる不安への対応として、1日につき2時間、週6時間を上限に病院等で補習指導を行っており、現時点までに延べ44名の県立高校生がこの制度を活用しています。  しかし、高校における単位の認定は、一定の時間数の授業への出席も条件となっています。現在の制度は授業そのものを病室で行うものではないため、長期の入院により単位の認定や進級の可否が切実な問題となる生徒にとっては、必ずしも十分とは言えないと認識しています。  長期入院している生徒の単位の認定に当たっては、病室にいながら授業を受けられる環境を整えることが課題となっています。  こうした中、国においては、今般、高等学校におけるICTを活用した双方向での遠隔授業について、当該校の教員が立ち会うなどの条件つきで弾力化を図りました。  また、議員お話しのとおり、来年度の国の予算案の中で、この遠隔授業等による入院生徒に対する教育保障体制整備の調査研究を実施することが示されています。  そこで、今後こうした国の動向も見据えながら、県立高校のICT環境の整備等を進めていく中で、学校と病院の双方向型の遠隔授業などにより、長期入院中の生徒の単位認定や進級につながる対応について検討したいと考えております。  以上でございます。  〔髙橋 稔議員発言の許可を求む〕 ○副議長(齋藤健夫) 髙橋稔君。  〔髙橋 稔議員登壇〕 ◆髙橋稔議員 知事並びに教育長、大変にありがとうございました。  それでは、私から残る時間を活用して、質問及び要望させていただきますが、まず、2点、再質問させていただきます。  AI及びRPAの導入について、まず、再質問させていただきたいと思います。  AIにつきましては、ビッグデータというものがなければAIの活用ができませんので、今後、ビッグデータの有効活用を図るために、しっかりした体制というものがあるべきではないかなというふうに考えております。  そこで、ビッグデータ有効活用を図るために、県の組織において、巷間言われておりますチーフ・データ・オフィサーといったものの設置も考えていくべきかと思いますが、知事の所見を伺います。  次に、もう1点でございますが、心臓リハビリテーションの環境整備について再質問させていただきます。  環境整備のモデル的な取り組みを支援していくとの答弁がございましたけれども、このモデル的な取り組みを支援ということにつきまして、もう少し詳しく伺いたいのですが、具体的にどこでモデル的な事業を行っていくのか、伺っておきたいと思います。  以上、よろしくお願いいたします。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○副議長(齋藤健夫) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) それでは、再質問にお答えいたします。  ビッグデータの活用というものは未病改善でありますとか、福祉、観光、防災などさまざまな行政分野において、県民の多様なニーズに対応した効果的な施策を展開していく上で大変重要であると認識しております。  そういう中で、きょうは議員からこういうご質問を受けたのは、実は私、大変驚いているところでありまして、私自身、従来からCDO─チーフ・データ・オフィサー設置の必要性を強く認識しておりました。  次に、心臓リハビリに関して、モデル的な取り組みを支援する、具体的な支援はどういうことかということでありますけれども、これは健康医療局長から答弁させます。  答弁は以上です。  〔健康医療局長(市川喜久江)発言の許可を求む〕 ○副議長(齋藤健夫) 市川健康医療局長。 ◎健康医療局長(市川喜久江) 健康医療局関係の再質問にお答えします。  心臓リハビリテーションのモデル的な事業について、再質問がございました。  この事業は、地域との連携が重要なことから、県と横浜市が連携して行うことを考えております。  具体的には、横浜市内で心臓リハビリテーションの専門人材がいる急性期の三つの病院に対して、地域連携推進のチームづくりですとか、かかりつけ医への研修、こういう事業に対して、その事業主体である横浜市に補助する予算を計上してございます。  以上でございます。  〔髙橋 稔議員発言の許可を求む〕 ○副議長(齋藤健夫) 髙橋稔君。  〔髙橋 稔議員登壇〕 ◆髙橋稔議員 わかりました。  それでは、残す時間で何点か要望してまいりたいと思います。  まず、神奈川のSDGsを踏まえた観光施策についてであります。  外国人観光客の誘致を促進するという目標がありまして、そういった意味で、先ほど国内外の関係諸機関と連携することも大事なんじゃないでしょうかという意味合いも含んでおりましたけれども、国内外の観光関係者と連携強化ということで、知事からも、大学ですとか、NPOですとか、いろいろ連携していくということをお示しいただきましたけれども、もう一つ、観光と持続的な開発目標というのを標榜している国連世界観光機関というものがございますけれども、SDGsという理念がこれだけ世界の潮流になってまいりますと、この国連世界観光機関との連携強化、先進県神奈川として、こういった関係機関、国内外の関係者との連携も今後視野に置いておいていただきたいなと要望しておきたいと思います。  次に、認知症疾患医療センターの充実強化、ご答弁ありがとうございました。  早期診断、早期対応という点で、軽度認知症対応強化、これもよろしくお願いしたいと思います。  きょうは知事、副知事、私も同様に認知症バッジをつけておりますけれども、このルールが大事だと思います、周知徹底。余りにもつけている方が少ないのですけれども、認知症啓発のバッジをぜひ知事の発信力でお願いしたいと思います。  最後に、県立高校の学習支援につきまして、一層の国の動きを踏まえながらの取り組みを強化していただくよう要望いたしまして、私の質問を終わります。  大変ありがとうございました。 ○副議長(齋藤健夫) お諮りいたします。  休憩いたしたいと思いますが、ご異議ございませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○副議長(齋藤健夫) ご異議がないと認めます。  よって、休憩いたします。  なお、再開は20分後といたします。                  午後2時49分 休憩        ───────────── ◇ ───────────── △《本会議録-平成31年第1回-20190225-028448-質問・答弁-嶋村ただし議員-一般質問①県民の安全・安心を守る取組について②「ともに生きる社会」の実現に向けた取組について③東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の開催に向けた取組について》                   午後3時11分 再開   〔議会局長報告〕  出席議員 議長共82名 ○議長(桐生秀昭) 休憩前に引き続き、会議を開きます。   ─────────────────────────────────────── ○議長(桐生秀昭) あらかじめ時間の延長をいたします。   ─────────────────────────────────────── ○議長(桐生秀昭) 質問を続行いたします。  嶋村ただし君。  〔嶋村ただし議員登壇〕(拍手) ◆嶋村ただし議員 自民党の嶋村ただしです。  自民党県議団の一員として、通告に従い、提言を交えながら、順次質問いたします。  知事並びに所管局長、警察本部長におかれましては明快なご答弁をよろしくお願いいたします。先輩議員並びに同僚議員におかれましては、しばらくの間、ご清聴のほどよろしくお願い申し上げます。  質問に先立ち、一言申し上げます。  今年はいよいよラグビーワールドカップの年を迎えます。開催を待ち望んでいる方も多く、準備を含め、わくわくするときを迎えています。選手も出場の機会を得るために、最後のアピール活動に励んでいることでしょう。  そして、翌年はオリンピック・パラリンピックが開催され、今後ますます盛り上がりを見せると思いますが、そうした中でも、県政においては、しっかりと足元を固めることが重要と考えます。華やかなイベントばかりではなく、行政に課された重要なやるべきことをないがしろにしてはなりません。  こうした観点から、私は、県民の安全、ともに生きる社会づくりなど、身近な問題を取り上げ、質問いたします。  〔資料提示〕  質問の第1は、県民の安全・安心を守る取組について伺います。  初めに、防犯カメラの設置促進についてです。  防犯カメラは、今や安全で安心して暮らせる地域づくりに欠かせない機器となっており、防犯カメラの設置に対するニーズは各地で高まっていますが、設置には一定の費用がかかることから、資金に余裕のない自治会・町内会にとっては、設置を検討するに当たり、問題点となっています。  かつては、まちの中に防犯カメラが設置されることに対して抵抗感を持つ方も多かったと思いますが、近年では、防犯カメラの設置が犯罪の解決や予防に大きな効果を発揮していることから、多くの県民が設置することを前向きに考えていると思います。  こうした中、平成28年2月の本会議における代表質問に対し、知事は、28年度より、防犯カメラの設置費用を助成することにより、4年間で800台を設置する計画を打ち出しました。  その後、地域からの設置要望も大変多く寄せられたことから、防犯カメラの設置効果をできるだけ多くの地域で早期に実現できるよう、計画を1年前倒しして、30年度中に800台の設置を行う方向性を示されたと承知しております。  現在、ほとんどの市町村で、この事業を活用して防犯カメラの設置の促進が図られていることは、県のこれまでの取り組みの成果として、一定の評価をしているところでございます。  ところが、計画の4年目を迎える平成31年度についても、市町村から、ぜひとも防犯カメラの設置補助を続けてほしいという要望が多く寄せられていると聞いています。  これは、この3年間の補助金の効果によって、各市町村の防犯意識が高まり、自治会・町内会の中でも設置場所の検討が進み、来年度ぜひとも設置したいという要望が市町村窓口にあったあかしと考えられます。したがって、この事業の継続は、まさに住民の声を形にする取り組みだと思います。  私の地元である横浜市港北区は、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の開催地である日産スタジアムがあります。そのため、地域では、オリンピックに向けて地域防犯力を強化していこうという機運が高まっており、民間主導により防犯カメラの設置を促進する仕組みをつくり、大会までに100台の設置を目指し、取り組んでいます。既に50台ほどの設置を見込んでおり、着実に目標に向けた取り組みが進んでいます。これぞ、官民が一体となり、防犯活動を進めている貴重な事例だと思います。  現在、県内の刑法犯認知件数は年々減少傾向にあり、昨年の平成30年には戦後最悪であった平成14年の3分の1以下にまで減少しています。このような状況を持続することが、県民の安全・安心につながると考えます。  そこで、知事に伺います。  平成31年度当初予算案では、防犯カメラ設置促進事業が計上されていますが、どのような考え方で盛り込んだのか、また、今後、防犯カメラ設置促進にどのように取り組んでいくのか、あわせて知事の見解を伺います。  〔資料提示〕  次に、道路標示の補修について伺います。  昨年、本県の交通事故による24時間死者数は162人であり、交通事故でとうとい命をなくされた方が多くいらっしゃることは、大変痛ましいこととお悔やみを申し上げます。また、ご家族等にとっても、悔やまれる事故が多く見受けられると察するところです。  さて、交通事故を未然に防ぐための努力についてですが、地域の警察、交通安全協会、交通安全にかかわるボランティアの皆様が日々活動し、交通事故の抑止に取り組んでいただいていることは大変ありがたいことと深く感謝しております。  しかし、こうした努力を続けていただいている一方で、最近は、自転車による事故も多く見受けられます。自転車事故には、自動車と自転車、自転車同士、歩行者と自転車などさまざまなケースがあり、あらゆる世代に注意喚起が必要となります。  昨年も、幼児を胸に抱えながら自転車を運転し、転倒後に幼児が亡くなってしまう痛ましい事故がありました。  このような自転車事故に関しては、自転車に幼児を乗せた2人乗りや3人乗りの方法などの交通ルールの周知が重要であり、事故を未然に防ぐため、交通ルールの周知を目的とした広報・啓発活動や、交通ルールの遵守とマナーの向上を目的とした交通指導取り締まり等を行っていると承知しています。また、幼児や児童を乗車させた場合、保護者にはヘルメット着用の努力義務があります。  このように、交通事故を未然に防ぐためのさまざまな取り組みが行われている中、県警察では、交通の安全と円滑を目的とした適正な交通規制の実施に向けて、日々交通安全施設の維持管理に取り組んでいますが、老朽化が進む信号機や道路標識等の整備に加え、平成28年度から2カ年計画で道路標示の補修予算を増額し、重点的に補修を行ってきたことは承知しております。  〔資料提示〕  しかしながら、重点補修期間を終えた平成30年度における道路標示の補修予算は、前年と比較して大きく減少しており、地域住民の方からは、横断歩道を初めとした道路標示の補修を求める声が後を絶ちません。  地域住民の方々にとって、日常生活で活用する生活道路や通学路の安全確保は、安全で安心な生活を送る上で非常に重要な要素です。また、通学路で子供の見守り活動を行っている方々にとっても、横断歩道等の道路標示は活動の担保となるものであります。  さらに、自動車を運転している中でも、横断歩道等がはっきりと書かれた道路は、雨の日や夜間であっても目につきやすく、安全な走行に役立つ大切な目印になっています。  神奈川県は人口も多く、自動車等の交通台数も他県とは比べものにならないほどの数になると承知しています。したがって、道路標示についても、摩耗してしまう箇所も多く存在すると考えます。  このため、一時的な予算措置では十分な対応ができないことから、道路標示の補修については、ぜひとも毎年度、経常的に必要な予算を計上するべきと考えます。  そこで、警察本部長に伺います。  歩行者や車両が安心して確認できる道路標示は、交通事故から人を守る大切な目印であり、歩行者の安全な道路横断等のために適切に補修すべきと考えますが、道路標示の補修に関する県警察の取り組みについて、見解を伺います。  〔資料提示〕  質問の第2は、「ともに生きる社会」の実現に向けた取組について伺います。  初めに、医療的ケア児の保育所への受入れについて伺います。  近年、障害や病気がある児童を受け入れる保育所や幼稚園がふえていると承知していますが、障害の程度や園側の受け入れ体制によっては、こうした児童が保育所等の利用を希望しても、入園を断られてしまうことが多く、また、せっかく入園できても、自宅から遠かったり、園が対応し切れずに、すぐに退園させられたという話も伺っています。  本来ならば、どのような児童でも、どこに住んでいても平等に保育所等が利用できるべきです。特に、近年、医療技術の進歩を背景に、人工呼吸器を装着していたり、たんの吸引、経管栄養など、日常生活を営むために医療を必要とする状態にある児童、いわゆる医療的ケア児がふえてきています。  医療的ケア児を持つ保護者の中には、日中の預け先がないために、仕事をやめざるを得ない方も多いと聞きます。また、医療的ケア児本人にとっても、健常児と同様に集団生活を経験し、社会性を身につけることが必要と考えます。そうした観点から、医療的ケア児の保育所での受け入れが進んでいくことが大変重要と考えます。  しかしながら、現状では、医療的ケアに必要な看護師やたんの吸引等の研修修了者が不足しているため、実際に県内で医療的ケア児を受け入れている保育所はかなり限られています。  医療的ケア児の保育所での受け入れには、看護師等の確保や児童の容態が急変したときのリスク管理など、課題は多くありますが、県が受け入れ意欲のある保育所を積極的に支援し、受け皿を少しずつでもふやしていくことが重要です。  こうしたことから、我が会派では、昨年9月の第3回定例会における一般質問で、医療的ケア児の保育所への受け入れについて質問いたしました。その際、知事からは、保育対策協議会の場を活用して、市町村に医療的ケア児の積極的な受け入れを働きかけていく旨の答弁がありました。  医療的ケア児の保育所での受け入れに当たっては、国のモデル事業による支援策がありますが、モデル事業であるがゆえに、複数年にわたる継続的な補助が保証されておらず、また、市町村が雇用した看護師等を保育所に派遣する仕組みのため、万が一の事故が発生した場合の責任の所在が、市町村と保育所のどちらになるのか曖昧であるなどの課題があり、活用が進んでいないと聞いています。  今後、医療的ケア児の受け入れをさらに広げるためには、国のモデル事業の対象とならない場合への支援も必要であると考えます。  そこで、知事に伺います。  医療的ケア児の保育所への受け入れを進めていくために、どのように取り組んでいくのか、知事の見解を伺います。  〔資料提示〕  次に、中小企業における障がい者雇用の促進について伺います。  本県が進めるともに生きる社会の実現に向けては、働く意欲のある障害者がその能力を存分に発揮し、自立と社会参加を実現していくことが求められますが、そのためには、障害者が安心して働くことのできる場を拡大していくことが必要です。  障害者は、長時間をかけて通勤することが困難な方も多いと思いますので、障害者にとって、身近な地域の中小企業で雇用の場を確保していくことが、障害者の選択肢を広げ、能力を発揮できる機会を拡大する上でも、大変重要と考えます。  教育の分野では、県立高校改革において、インクルーシブ教育実践推進校が指定され、県立高校で知的障害のある生徒が高校教育を受ける機会が広がっています。中学生にとっては、卒業後の選択肢がふえ、多様な教育的ニーズに応える仕組みの充実につながるよい取り組みだと思います。  また、特別支援学校の高等部では、関係機関と連携して、障害者雇用の理解促進を図るとともに、卒業後の自立と社会参加を目指した職業教育の充実に努めています。  しかしながら、県内の民間企業における障害者雇用率は、平成29年6月1日時点で1.92%となっており、依然として法定雇用率に達していません。  また、企業の規模別では、従業員50人以上100人未満規模の企業の雇用率が1.46%と最も低く、次いで、100人以上300人未満の企業が1.68%となっており、特に中小企業において障害者雇用が進んでいない状況があります。  平成30年4月には法定雇用率が2.2%に引き上げられるとともに、障害者雇用率制度の対象となる企業が、従業員50人以上の企業から45.5人以上の企業へと拡大されたことから、中小企業において、障害者雇用の取り組みが一層求められています。  県では、平成29年4月に障害者雇用促進センターを設置し、法定雇用率未達成の中小企業への個別訪問を実施しているほか、障害者雇用を始めようとする企業と、既に雇用している企業との交流会を開催するなど、中小企業を対象としたさまざまな取り組みを行っていることは承知しています。  しかしながら、新たに障害者雇用率制度の対象となった企業を含め、障害者雇用を進めたいとは思っていても、障害者がどのような仕事ができるのかわからない、自社の仕事に適した障害者をどのように探したらよいかわからないという中小企業もあると考えます。  大企業に比べ、中小企業は規模が小さいことから、人的資源も経済的資源も限られており、こうした中小企業でも着実に障害者雇用の取り組みを進めることができるよう、さらなる支援の充実を図る必要があると考えます。  そこで、産業労働局長に伺います。  今後、中小企業における障害者雇用の促進にどのように取り組んでいこうとしているのか、産業労働局長の見解を伺います。  〔資料提示〕  質問の第3は、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の開催に向けた取組について伺います。  初めに、東京2020大会に向けた湘南港の緑化について伺います。  東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会まであと1年半となり、各地でさまざまな準備が進められています。  オリンピック大会セーリング競技の会場となる湘南港においても、江の島大橋の3車線化や、仮称ですが、セーリングセンターの整備など、大会の成功に向け、さまざまな施設整備が進められており、いよいよオリンピックが開催されるという期待が高まってきました。  今年は、オリンピックに向けて、組織委員会主催のテストイベントが開催されるとのことであり、本番ムードがさらに高まると考えております。  こうした中、我が会派でも、昨年11月に、緑の専門家の方々とともに、湘南港の現地視察を行いました。その際、競技会場の整備が着実に進んでいることについては確認することができましたが、一方で、緑地の芝生や道路沿いの樹木などを調査したところ、その状況を見ると、緑あふれる緑地のイメージにはとても見えず、癒やしの空間とは言えないと感じました。  セーリングと言えば、海でのレースを想像しますが、自然を相手に行う競技の中で、選手たちも陸上で試合を待つ間はリラックスしたいのではないかと思います。陸上での癒やしの空間と言えば、緑が多くある自然に近い空間だと思います。競技会場が、選手にとっても、観客にとっても心地よい場所にならなければ、大会の盛り上がりはないと考えます。  会場に来られる選手や観客をどのように出迎えるか、どのように会場で過ごしてもらうか、緑の専門家の意見を聞き、癒やしのある景観づくりが必要であります。  海外などでは、観光地の街路樹や公園などで見事な芝生の光景を目にしますが、それだけでよい場所に来たと思えます。また、真夏の強い日差しの中で、樹木の日陰などは、心を癒やす空間になっています。  そこで、例えば江の島の玄関口にある北緑地については、多くの観光客が訪れ、まず最初に目にする場所でもあることから、芝生の張りかえや高木の植栽をしっかりと行い、木陰を設けて休憩できるスペースを確保するとともに、見ばえのよい緑地にすべきだと思います。  そして、江の島がセーリングの聖地であり続けるためにも、今、世界に認められる会場にしなければならないと思います。  オリンピックでは、その映像が世界中に配信されることから、美しい江の島の景観をPRする絶好のチャンスでもあります。  江の島には大会後も多くの観光客が訪れ、国際的な観光地として、ますますにぎわうことが期待されることから、オリンピックを契機として、湘南港の緑化を積極的に進めるべきと考えます。  そこで、県土整備局長に伺います。  オリンピック開催まであと1年半と迫っており、それまでに見ばえのよい景観とするには、早期に植栽を行い、しっかりと根づかせる必要があると考えますが、今後、オリンピックに向けて、どのように湘南港の緑化に取り組んでいくのか、県土整備局長の見解を伺います。  〔資料提示〕  次に、東京2020大会におけるパブリックビューイング等の場の設置について伺います。  私にとって55年前の東京オリンピックが、来年、目の前で再び開催されるという興奮はまだ想像がつきません。世界の目が日本、そして神奈川に注がれることを考えると、心が躍ります。  人々に、オリンピック競技が神奈川で開催されてよかったと思ってもらい、また、多くの人に心のレガシーとして残していくためには、大会の感動と興奮をできるだけ多くの皆さんが共有することが重要と考えます。  55年前はようやくテレビが普及し、東京オリンピックもテレビを通じて観戦した記憶がありますが、今や、地上波テレビだけでなく、衛星放送、インターネットなど選択肢が広がり、競技中継も当時と比べ、一段と進んだものとなっています。録画の技術も進み、手軽に楽しめることから、東京2020大会の楽しみ方も多岐にわたることでしょう。  ビッグイベントの観戦で、まず考えられるのは、競技会場に足を運んでもらい、そこで実際に競技を見てもらうことです。スポーツの醍醐味である選手の生の声やしぐさなど、その場でしか味わえないものがたくさんあることは見逃せません。  しかし、競技会場は有料で、チケットには限りもあることから、実際に競技会場に来ることができる方は、どうしても限られてしまうと思います。  また、セーリング競技については、競技会場に入場ができる観客数を減らすという報道もされており、ますます会場で観戦できる機会が減るのではないかと心配しております。  こうしたことから、競技会場以外でも、多くの人が集まって映像で競技を観戦できる場所をつくることが必要と考えます。  サッカーのワールドカップなどでは、競技会場の外でパブリックビューイングを実施しており、大勢の方がみんなで盛り上がっている様子がテレビなどでよく報道されています。  また、昨年開催された平昌冬季オリンピックの際には、東京都の井の頭公園などで多くの方々が日本選手の活躍する映像に声援を送るとともに、ステージイベントやトークショーなどを楽しんだと聞いています。  東京2020大会においても、こうした場所を設け、多くの方々が同じ映像を囲みながら一緒に選手を応援することによって一体感が生まれ、興奮や感動をともに分かち合うことは、大会を盛り上げるためにも効果があると考えます。  そこで、スポーツ局長に伺います。  パブリックビューイングのように、多くの人が競技中継などを一緒に楽しみ、東京2020大会の興奮や感動を共有できる場を設けることについて、今後どのように展開しようとしているのか、スポーツ局長の見解を伺います。  以上をもちまして、私の第1回目の質問を終わります。  ご清聴まことにありがとうございました。                               〔拍 手〕  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○議長(桐生秀昭) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) 嶋村議員のご質問に順次お答えしてまいります。  初めに、県民の安全・安心を守る取り組みについてお尋ねがありました。  防犯カメラの設置促進についてです。  県は東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に向け、地域の防犯力を高めるため、平成28年度から市町村等が行う防犯カメラの設置を支援してきました。  当初は、来年度までの4年間で800台の防犯カメラを設置する目標でしたが、地域のニーズも高いことから、その設置効果をできるだけ多くの地域で早期に実現できるよう、計画を1年前倒しして今年度中の目標達成にめどをつけました。  こうした中、当初の計画期間である4年間を前提に地元自治会等と設置の調整をしていた一部の市町村からは、来年度も防犯カメラの設置を支援してほしいとの要望をいただいています。  そこで、県はこうした要望を踏まえるとともに、オリンピックに向け、さらに地域防犯力を高めるため、来年度当初予算案に320台の防犯カメラを設置する予算を計上し、4年間で当初計画の4割増しとなる1,120台の防犯カメラの設置を実現したいと考えています。  これまでの県の取り組みで、県内各地で防犯カメラの設置が進みました。また、県の補助に頼らず、独自の施策で防犯カメラを設置する市町村もふえています。さらに、民間主導で防犯カメラを設置する地域や、ドライブレコーダーを防犯に役立てる人も見られるなど、自分たちのまちは自分たちで守るという機運が高まっています。  防犯カメラの設置に対する県の支援は、来年度が最終年度となる予定ですが、こうした各地の自主的な取り組みを広く県内市町村等に情報提供し、市町村や自主防犯活動団体の独自の取り組みにつなげてまいりたいと考えています。  次に、ともに生きる社会の実現に向けた取り組みについてお尋ねがありました。  医療的ケア児の保育所への受け入れについてです。  県内の主な医療機関を利用している就学前の医療的ケア児は、平成27年度の県の調査では454人でした。しかし、保育所で医療的なケアができる看護師などの人材不足や、その人件費が公的給付で措置されないなどの理由から、今年度、県内の保育所の受け入れは25人にとどまっています。  医療的ケア児が保育所等で子供たちと過ごし、社会性を身につけていくことは、本人の将来の可能性を広げることにもつながりますので、多くの保育所で受け入れを進めることが重要です。  県では、これまでも市町村に対し、医療的ケア児の受け入れを働きかけてきました。昨年11月の保育対策協議会では、医療的ケア児の受け入れを促進するため、実際に受け入れている保育所の事例を紹介しました。  その事例では、座ることもできなかった医療的ケア児が他の児童の様子に刺激を受けて、自分から動けるようになり、集団生活の効果を実感したと聞いています。  一方で、市町村には国の補助事業の活用を勧めましたが、民間保育所でケアを行う看護師を市町村が雇用しなければならない仕組みであり、今年度、補助を受けているのは2市にとどまっているのが現状です。  そこで、県では、医療的ケア児の保育所への受け入れを進めるため、県独自の新たな補助事業を創設することとし、来年度当初予算案に789万円を計上しました。  この補助事業では、保育所が直接看護師を雇用できるようにし、市町村が活用しやすい仕組みにしたいと考えています。  また、補助対象を救急救命士など、所定の研修を受けた人にも広げ、医療的ケア児サポーターとして幅広い人材の活用を図ります。  さらに、来年度、医療的ケア児の家庭を対象にアンケート調査を行い、保育所の利用希望や日常生活での困り事などをお聞きし、その結果を市町村と情報共有して施策に生かしていきます。  県としては、今後も市町村と連携して、医療的ケア児の保育所への受け入れを進め、すべての子供がともに成長できる環境づくりにしっかりと取り組んでいきたいと考えています。  私からの答弁は以上です。  〔産業労働局長(髙澤幸夫)発言の許可を求む〕 ○議長(桐生秀昭) 髙澤産業労働局長。 ◎産業労働局長(髙澤幸夫) 産業労働局関係のご質問についてお答えします。  中小企業における障害者雇用の促進についてお尋ねがありました。  障害者が身近なところで安心して働ける場をさらにふやしていくためには、できるだけ多くの中小企業に障害者雇用に取り組んでいただくことが必要です。  県では、障害者雇用促進センターの職員が平成29年度は650社、30年度は1,000社を目標に法定雇用率未達成の中小企業を個別訪問し、障害者の雇用事例のほか、国の助成金の紹介を行うなど、中小企業への支援に重点的に取り組んでいます。  訪問先の企業の状況は、障害者雇用のイメージさえわいていないケースや、既に雇用の準備を進めようとしているケースなど、さまざまであり、今後はそれぞれの取組段階に応じて支援を充実させていくことが必要です。  そこでまず、障害者雇用の経験がなく、どのような仕事を担ってもらうのがよいかわからないという企業に対しては、既に障害者を雇用している同業種の企業の協力を得て、実際に働いている現場を見ることができる見学会を各地で開催し、自社での雇用がイメージできるよう支援していきます。  また、雇用の準備はできているものの、自社に適した障害者をどのように探したらよいかわからないという企業に対しては、障害者雇用促進センターが就労支援機関と連携して、障害者の実習などをコーディネートし、障害者と企業の相互理解を深め、就労につなげていきます。  このように実践的かつきめ細かい支援を行うことで、中小企業における障害者雇用を促進してまいります。  私からの答弁は以上です。  〔県土整備局長(鈴木祥一)発言の許可を求む〕 ○議長(桐生秀昭) 鈴木県土整備局長。 ◎県土整備局長(鈴木祥一) 県土整備局関係のご質問についてお答えします。  東京2020大会に向けた湘南港の緑化についてお尋ねがありました。  セーリング競技の会場となる湘南港は、大会時は多くの選手や観客が訪れ、大会後も観光客の増加が見込まれることから、大会の開催にふさわしい会場となるよう、また、大会後のレガシーとなるよう、新たな緑化に取り組むことが必要です。  そこで、県は、日ごろ造園などに携わっている緑の専門家の方々と昨年から現地調査や意見交換を重ね、大会時の暑さ対策ともなる木陰を設けることや、植栽には塩害に強い樹種を選択することといったアドバイスをいただくとともに、先月、具体の緑化のプランを提案していただきました。  この提案を受け、県は現地の状況を詳細に確認するなど、さらに検討を重ね、癒やしのある景観づくりに向け、会場への動線になる道路沿いの緑をふやすとともに、利用者が多い緑地には高木を植え、木陰を創出するなど、緑化を進めることにしました。  具体には、道路沿いについては、台風などの影響により枯れている樹木を植えかえるとともに、塩害に強いワシントンヤシを新たに植栽します。また、緑地については木陰を設けるため、江の島に多く自生し、島の景観に溶け込む高木のタブノキを植栽します。  さらに、島の玄関口に位置する北緑地については、利用が多く、芝生に傷みが目立つことから、耐久性のある芝に張りかえを行います。その際、県内の農業高校と連携し、生徒が育てた苗を使用することで、生徒の心にも残る取り組みを進めます。  県はこうした方針に基づき、大会までに新たな植栽を根づかせるため、この春には工事に着手できるよう準備を進めています。  県は、新たな緑化を早期に進め、大会に向けた環境づくりに努めるとともに、大会後もしっかりと維持管理を行い、国際観光地としてふさわしい緑化に取り組んでまいります。  私からの答弁は以上です。  〔スポーツ局長(平田良徳)発言の許可を求む〕 ○議長(桐生秀昭) 平田スポーツ局長。 ◎スポーツ局長(平田良徳) スポーツ局関係のご質問にお答えします。  東京2020大会におけるパブリックビューイング等の場の設置についてお尋ねがありました。  大会を多くの人々の感動で成功に導くためには、会場で直接競技を観戦することを呼びかけるだけでなく、気軽に会場の熱気や臨場感を味わってもらう機会を設けることも大変重要だと考えています。  そこで、県では、セーリング会場である江の島周辺でセーリングを中心とした競技映像を放映したり、イベントなどを楽しんでもらえるライブサイトを組織委員会と連携して設けることを考えています。今後、実施場所の選定や会場レイアウト、プログラムなどの具体的な検討に着手していきます。  しかし、組織委員会からライブサイトの設置が認められるのは、競技会場ごとに1カ所にとどまります。そこで、県内の隅々で多くの人が大会の盛り上がりを共有するための取り組みも必要です。  これまでもオリンピックやワールドカップなど、さまざまなスポーツイベントで公民館や体育館などに多くの人々が集まり、地元のゆかりの選手などに熱い声援を送る、いわゆるパブリックビューイングと言われるイベントが大会の盛り上げに大きな役割を果たしてきました。  自治体やスポンサー企業以外がパブリックビューイングを実施することは認められないと報じられた時期もありましたが、現在、組織委員会は自治会や学校など、より身近な団体などでも実施できるよう検討を進めています。これが実現すれば、大会を地域全体で盛り上げる大きな力にもなります。  県としては、市町村の意見を聞きながら、できるだけ実施しやすい仕組みとなるよう、組織委員会に働きかけるとともに、市町村への支援のあり方について検討していきます。  県としては、今後、県内各地で多くの方が大会の祝祭感を味わい、興奮と感動を共有できる機会を設けるための取り組みを進めてまいります。  私からの答弁は以上です。  〔警察本部長(古谷洋一)発言の許可を求む〕 ○議長(桐生秀昭) 古谷警察本部長。 ◎警察本部長(古谷洋一) 道路標示の補修についてお答えを申し上げます。  県警察が整備しております道路標示には、横断歩道や車両通行帯を表示する実線や破線、あるいは、とまれや矢印などの文字や記号などといったものがございます。  交通の安全と円滑を確保するためには、これらの道路標示を適切に維持管理することが非常に重要であり、例えば横断歩道の標示が摩耗し、その視認性が著しく低下した場合には、横断歩行者の安全を脅かすことになると考えております。  そこで、県警察といたしましては、交通状況等によって、道路標示の摩耗の状況が異なることを踏まえ、警察官が定期的に目視で点検することにより、摩耗状況の適切な把握に努めているところでございます。  このほかにも、地域住民や関係団体の方々から、道路標示の補修に関する情報提供やご要望をいただいた場所につきましても、改めて現地の確認をするなどして、補修の緊急性や必要性の高い箇所の把握に努めているところでございます。  なお、先日発表されました平成31年度当初予算案には、道路標示の補修に関する県単独事業の経費として約5億4,000万円が盛り込まれております。これは前年度と比較して、約1億6,000万円の増額となっております。  県警察といたしましては、今後とも、必要な予算の確保に、また効率的な予算執行に努めますとともに、引き続き県民の皆様のご要望等も真摯に受けとめながら、道路標示の補修を確実に実施してまいりたいと考えております。  以上でございます。  〔嶋村ただし議員発言の許可を求む〕 ○議長(桐生秀昭) 嶋村ただし君。  〔嶋村ただし議員登壇〕 ◆嶋村ただし議員 答弁をいただきまして、ありがとうございました。  1点、再質問をさせていただきます。  中小企業における障害者雇用の促進について伺います。  障害者が希望に合った就労先を見つけ、企業が自社のニーズに合った人材に出会い、お互いに満足し、能力を発揮していくためには、就労支援機関の役割が大きいのではないかと思います。  就労支援機関が十分に役割を発揮できるように、県としてどのように取り組んでいくのか、産業労働局長の見解を伺います。  〔産業労働局長(髙澤幸夫)発言の許可を求む〕 ○議長(桐生秀昭) 髙澤産業労働局長。 ◎産業労働局長(髙澤幸夫) 嶋村議員の再質問にお答えいたします。  県では、就労支援機関が利用者の適性を十分に把握し、適切な就労につなげていくことができるよう、就労支援機関からの依頼を受け、利用者の職業能力を評価し、就労に向けた助言を行っています。  今後は、こうした支援とあわせ、就労支援機関自身が利用者の適性を把握する力を向上させ、より適切な就労支援を行うことができるよう、利用者の適性の把握の仕方や就労に向けた効果的な訓練のあり方をテーマとした研修を行うなど、就労支援機関向けの研修の充実を図ってまいります。  以上でございます。  〔嶋村ただし議員発言の許可を求む〕 ○議長(桐生秀昭) 嶋村ただし君。  〔嶋村ただし議員登壇〕 ◆嶋村ただし議員 それでは、意見・要望を述べさせていただきます。  まず、防犯カメラの設置促進についてでありますが、防犯カメラの設置につきましては、地域の中でどこが効果を出すか、話し合いをされておりますけれども、なかなかよい場所に必ずしも設置できるかどうかわかりません。現実は設置場所に苦労する場合があるそうです。  そのような状況で、県が補助することで、理解されやすく、設置しやすくなれば、今以上に進むと考えます。地域の防犯意識を消さないためにも、継続的に補助していただきたいと考えます。  次に、道路標示の補修についてです。  県警察では、信号機のない横断歩道において、自動車運転者に対し、歩行者優先の考えを徹底させるとともに、歩行者に対しても横断歩道付近等での交通ルールを指導することで、運転者と歩行者双方の意識の高揚を図るための取り組みを進めていると伺っております。  こうした取り組みを効果的に進めていくためにも、横断歩道等の道路標示の視認性が低下しないように、しっかりと補修していただき、人優先の交通安全対策のさらなる推進を図っていただくことを要望します。  次に、医療的ケア児の保育所への受け入れについてです。  医療的ケア児の受け入れに当たり、民間保育所では財政的支援があったとしても、看護師が採用できない、保育するためのノウハウがないなどの理由により、すぐに受け入れを拡大させることは難しいと考えます。  まずは、地域の拠点として、さまざまな児童に対応するノウハウのある公立保育所を中心に受け入れを進めていき、徐々に民間保育所に広げていくというのも一つの方策であると考えます。  県としては、そのような手法も検討しながら、医療的ケア児の保育所での受け入れが進むよう、引き続き支援に取り組んでいただきたいと思います。  また、人口増である政令市では、利便性もあることから、医療的ケア児等の障害のある子供さんがたくさんいらっしゃいますので、県からも積極的な対応を提案していただきたいと思います。  中小企業における障害者雇用の促進についてですが、現在、障害を抱える子供の保護者は成人した子供の居場所をとても心配しています。就職できなければ、家にいるしかないと思うと不安になることでしょう。障害者とのつながりを深めるために、あらゆる選択肢を与えることを要望します。  東京2020大会に向けた湘南港の緑化についてですが、大会まで時間がありませんので、専門家を交えた早急な対応をすべきと考えます。今ふうに言えば、インスタばえのする会場にしていただきたいと思います。  最後に、東京2020大会におけるパブリックビューイングの場の設置についてですが、会場外での映像による競技観戦についての考え方はわかりました。  体育館や公民館など、できるだけ多くの場所で実施され、大会が盛り上がるよう、県がしっかりリードして進めてもらいたいと思います。  以上で、私の一般質問を終了させていただきます。  ご清聴ありがとうございました。 △《本会議録-平成31年第1回-20190225-028449-質問・答弁-しきだ博昭議員-一般質問①「ともに生きる社会かながわ憲章」の普及推進について②児童虐待被害への対応について③聴覚障がい者のスポーツ振興について④県有財産の売却におけるマイナス入札の実施について⑤災害時におけるヘリコプターの円滑な運用について⑥県立高校における性的少数者への配慮について⑦読書手帳について》   〔しきだ博昭議員発言の許可を求む〕 ○議長(桐生秀昭) しきだ博昭君。  〔しきだ博昭議員登壇〕(拍手) ◆しきだ博昭議員 私は自民党県議団の一員として質問いたします。  質問に入る前に、一言申し上げます。  昨年のNHK紅白歌合戦で、米津玄師さんが曲を披露した大塚国際美術館にあるシスティーナホールは、バチカンのシスティーナ礼拝堂を模してつくられています。ご承知のとおり、この壁画、天井画を手がけたのは、ルネッサンス期で最も著名な画家、彫刻家として名高いミケランジェロです。その数々の作品が今なお人々に感動を与え続けているのは、彼の類いまれな才能はもちろんのこと、決して妥協を許さない作品に対する集中力と不屈の精神であるとされています。  彼はこの天井画を完成するのに4年もの歳月を費やし、あおむけの姿勢で描き続けたことにより、気力は衰え、体はぼろぼろになったと言われ、当時、彼を見た友人ですら、ミケランジェロであることに気づかなかったほど、変わり果てたとも言われています。  全体を見渡す視野の広さと細部にまでこだわる繊細な注意力、そして、最後までやり通す不屈の精神と情熱が作品を通じ、今なお人々を魅了し、感動を与え続けています。  後にミケランジェロは、誰も注意を払わないような柱の陰や暗い隅っこにまで、なぜそんなに丹念に仕上げているのかと尋ねられ、こう答えています。神がごらんになるからだ。  私も声なき声に謙虚に耳を傾け、細部にまで目を凝らし、細心の注意を払い、一つ一つの課題に真摯に向き合い、日々研さんを積み、その解決に向け、引き続き不断の努力を重ねていく決意を改めてここに明らかにし、質問に入ります。  知事、総務局長、くらし安全防災局長並びに教育長におかれましては、明快なご答弁をお願いいたします。また、先輩、同僚議員の皆様には、しばらくの間、ご清聴いただきますようお願いいたします。  まず初めに、「ともに生きる社会かながわ憲章」の普及推進について伺います。  〔資料提示〕  2016年7月26日、相模原市にある県立障害者支援施設、津久井やまゆり園において、19名ものとうとい命が突如として奪われ、27名の方々が負傷するという痛ましい事件が発生しました。  この事件の背景には、元職員である容疑者の障害者に対する偏見や差別的思考があったと報じられています。我々は、こうした誤った考え方を断じて受け入れるわけにはいきません。  我々は、この事件に決して屈することなく、この悲しみを力に変え、障害者に対するいかなる差別や偏見も決して容認することなく、誰もがそのかけがえのない命と個性、そして人格が尊重される社会の実現に力を尽くしていく決意を内外に示していくため、我々議会は、県と共同し、ともに生きる社会かながわ憲章を策定いたしました。  県議会では、これまで、議長を先頭に、駅頭でのチラシの配布活動を初め、各議員が主催するさまざまな行事等を通じ、憲章の普及に努めてまいりました。  また、教育委員会では、事件の発生を受け、毎年、公益社団法人日本青年会議所が、県、県議会、県教育委員会とともに開催しているハイスクール議会の中に、昨年、一昨年と、ともに生きる社会推進特別委員会を設置し、高校生議員による真摯な議論が交わされました。  とりわけ、昨年は、憲章の題字を手がけていただいた書家の金澤翔子さんをお迎えし、全生徒の前で、ともに生きるを揮毫していただくなど、憲章の理解促進に向けた取り組みを行っております。  さらに、特別委員会への所属が決まった高校生議員が、事前に特別支援学校を訪問し、障害のある生徒さんとの交流機会を設け、取り組みの一層の充実を図ったと承知しています。  こうした中、昨年12月に公表された県民ニーズ調査によると、実に81%の県民が憲章を知らないと回答しています。この数字は、一昨年の調査においても、ほぼ同じ数字であったことを考えると、これまでの憲章の普及推進の取り組みが効果的であったのか、県民の心に届くきめ細かな対応が行われてきたのか、その目的や方向性、施策・事業のあり方が適切・妥当であったのか、抜本的に見直しを行い、検証していく必要があると考えます。  変化の時代にあって、停滞は、すなわち後退を意味します。同様に、津久井やまゆり園事件も、時の流れとともに風化が進んでいくことを憂慮しています。これまで以上に、我々はこの事件を深く胸に刻み、憲章の理念の普及に努めていかなければなりません。  この事件に屈することなく、決して風化させることなく、障害者に対する差別や偏見を根絶し、ともに生きる社会を実現していくために、その先頭に立って行動していく責務と使命を負っていることを、改めて、我々は肝に銘じる必要があります。  県と議会は、このたびの県民ニーズ調査の結果を真摯に受けとめ、謙虚に反省しつつ、今後の取り組みの充実を図るべく、みずからの努力にさらに拍車をかけていかなければなりません。  明日26日はまた月命日がめぐってきます。そこで、改めて、犠牲となられた方々に哀悼の誠を捧げつつ、知事に伺います。  昨年12月に公表された県民ニーズ調査の結果をどのように受けとめているのか、憲章の普及推進に向けたこれまでの県の取り組みの検証と今後について伺います。  次に、児童虐待被害への対応について伺います。  〔資料提示〕  子供は誰でも言づてを携えて生まれてくる、神はまだ人間に失望していないという言づてを。これは、アジア人初のノーベル賞受賞者であるインドの詩人タゴールの詩であります。  目黒の・・・ちゃん事件、千葉の・・・ちゃん事件を初め、言づてを携えてこの世に生を受けた子供たちのかけがえのない命が、虐待により奪われ、未来が閉ざされるという、決してあってはならない事件が後を絶ちません。夢と未来の担い手である子供たちを守り、育んでいくことは社会全体の責務であると言えます。  こうした中、児童虐待の相談件数は年々増加しており、平成29年度に県所管の児童相談所が受け付けた児童虐待の件数は、実に4,190件で過去最多で、この10年間で3倍以上となっております。  その内訳を見ると、心理的虐待を中心に、身体的虐待などが大きく増加した一方で、性的虐待は10件から30件台で、ほぼ横ばいの状況で推移しています。  児童虐待は、多くの場合、家庭の中で起こるため、子供が周囲に打ち明けることができない、あるいは、加害者である親等に口どめされて言えないといったことなどにより、相談につながらないケースもあると考えられます。  また、保護者から激しい暴力や性被害を受けた子供が、児童相談所にみずからの被害を打ち明けることができた場合でも、その後、刑事事件として取り扱われることになれば、児童相談所や警察、検察などから、被害事実について繰り返し聴取されることになり、そのたびにつらい体験を思い出し、さらに心の傷が深まるおそれがあります。  最近では、こうした点に配慮し、子供が何度も同じ話をしなくても済むような取り組みが、児童相談所、警察、検察の共同で進められていることは承知しています。  また、その一方で、被害を受けた子供が児童相談所に相談しにくい場合に、まず、その相談を受け、さまざまな面から支える民間の取り組みも注目されています。  現在、県内において、医師、弁護士を初め、動物福祉に携わる専門職種の方々が、一堂に会し、子供のSOSを受けとめ、専門機関につなぐための支援を行う神奈川子ども支援センターつなっぐというNPOの設立を目指す新たな動きが出てきております。  私も設立総会にオブザーバーとして立ち会い、関係者の熱意や使命感を肌で感じてまいりました。  この団体の代表者のお話によると、将来的には、子供にとって、より負担の少ない診察や面接、いわゆる系統的全身診察や被害事実確認のための面接を団体みずから実施したり、弁護士や専門機関を紹介するといった支援をワンストップで行うことを目指していくとのことであり、そのつなっぐという名称に込めた思いをお伝えくださいました。  〔資料提示〕  また、この団体の特徴の一つとして、欧米では既に定着しているコートハウスドッグ、すなわち裁判所犬という、特別に訓練された犬が、裁判所で証言しなければならない被害者である子供に寄り添い、心の安らぎを与え、サポートする制度にならい、導入を検討しています。  被害を受けた子供たちが安心して助けを求めることができ、心の傷を癒やし、安全な環境で安心して暮らすことができるよう、子供たちのSOSを受けとめるための多様な人材や受け皿を数多く確保していくことは大変望ましいことであり、県がこのような民間団体の活動と連携していくことは、極めて重要であると考えます。  そこで、知事に伺います。  虐待により被害を受けた子供への支援について、民間団体との連携を含め、今後どのように取り組んでいくのか伺います。  次に、聴覚障がい者のスポーツ振興について伺います。  〔資料提示〕  聴覚障害者のスポーツは、障害者スポーツの中でも古い歴史を有し、聴覚障害者のオリンピックと呼ばれ、国際ろう者スポーツ委員会─ICSDの主催により4年に1度開催されるデフリンピックは、1924年にフランスのパリで第1回大会が開催され、2025年の第25回大会は100年目の節目を迎えます。  これは、第1回のローマ大会が1960年であるパラリンピック競技大会や、その原点と言われるイギリスのストーク・マンデビル病院で1948年に開催されたアーチェリー大会と比べても、長い歴史を有する大会と言えます。  デフリンピックという名称は、聾者をあらわすDeafとオリンピックを組み合わせた造語で、先ほど述べたとおり、聾者のオリンピックを意味しています。  なお、IOC─国際オリンピック委員会が、オリンピックの使用を許可しているのは、オリンピックのほか、パラリンピック、知的障害者の競技大会であるスペシャルオリンピックスに加え、このデフリンピックの四つのみであると言われています。  このデフリンピックのロゴマークは、手話、聾文化、結束と継続といった強いメッセージを表現しており、また、全日本ろうあ連盟が作成したパンフレットには、オリンピックは平和を守り、パラリンピックは勇気を生み、デフリンピックは夢を育むと記載されています。  2017年のトルコのサムスンで開催された夏季デフリンピック大会は、86の国と地域から2,855人の選手が参加し、神奈川県からも県立平塚ろう学校の生徒である中田美緒さんと長谷山優美さんが女子バレーボールで金メダルを獲得し、横浜市在住の早瀬久美さんは、ブルガリアのソフィアで開催された前回大会に続き、2大会連続で自転車競技で銅メダルを獲得するなど、多くの選手が活躍しています。  しかしながら、2020年の東京パラリンピック競技大会の開催を契機として、国民や県民のパラリンピックへの関心が高まる一方で、デフリンピックの認知度や聴覚障害者のスポーツに対する理解や関心は、まだまだ低いと言わざるを得ません。  こうした中、折しも、来る3月2日の土曜日、スポーツ庁の委託事業として、全日本ろうあ連盟の主催により、デフリンピック・フェスティバルが、横浜の新都市ホールで開催されることとなっております。この催しには、県、県教育委員会、横浜市などと一緒に、昨年設立された神奈川県議会ユニバーサルスポーツ振興議員連盟も後援し、協力しています。  ご承知のとおり、県議会では、手話言語条例の制定を求める陳情が5万5,000名もの署名を添えて提出されたことを受け、鳥取県に次いで、全国2例目として、また、議員提案としては、全国初となる「神奈川県手話言語条例」を2014年に制定いたしました。  この条例は、聾者と聾者以外の者が互いの人権を尊重し、意思疎通を行いながら共生することのできる地域社会の実現を目指しています。  この共生の理念は、先ほど質問した、ともに生きる社会かながわ憲章の中にも受け継がれております。  2020年の東京パラリンピック大会は、こうした共生の理念を浸透させ、実現していく大きな契機とし、その機運をさらに高めていかなければならないと考えますが、聴覚障害者のスポーツ振興についても、しっかり取り組んでいく必要があると思います。  知事は、3月2日のデフリンピック・フェスティバルを後援している、手話を広める知事の会の副会長を務めておられます。  そこで、知事に伺います。  聴覚障害者のスポーツ振興について、県では今後どのように取り組んでいくのか、伺います。  次に、県有財産の売却におけるマイナス入札の実施について伺います。  〔資料提示〕  厳しい財政状況が続く中、税外収入の確保に取り組むことはとても重要なことであり、県は、未利用県有地の売却に精力的に取り組んでいるものと承知しています。  平成24年度から27年度の緊急財政対策に取り組んだ4年間は、毎年、約50件、100億円を超える売却収入を確保してきました。特に、建物を解体せず、そのまま土地を売却する、いわゆる建物つき土地売却に取り組んだことは、収入確保の早期化に結びついたという点で評価しております。  このように、これまで一定の成果を上げてきた未利用県有地の売却収入も、平成28年度は40件で約44億円、29年度は27件で約56億円にとどまり、30年度はさらに低くなる見込みであると聞いております。  これは、高校や職員公舎の跡地といった、一定の売却収入が見込める大規模で売りやすい物件がなくなってきたことが大きな理由であり、今後は売りにくい未利用県有地の売却にもしっかり取り組む必要があると考えます。  こうした中、昨年12月、埼玉県深谷市のマイナス入札に関する新聞報道を目にいたしました。  これは、廃校となった小学校の体育館とその敷地を対象として、落札者が体育館を解体する条件をつけ、市が解体費用を負担することとして予定価格をマイナス1,340万6,000円とし、入札の結果、マイナス795万円で売却したという全国初の事例として注目されています。  この物件がどういう物件なのかを確認したところ、過去に2回、建物つき土地売却を試みたが、売れなかった経緯があり、建物の解体費用が土地の価格を上回る、まさに売りにくい物件の一例であることがわかりました。  本県においても、未利用県有地の早期売却を効率的に進めるためには、マイナス入札もメリットがあるものと考えます。  そこで、今後、建物の解体費用が土地の価格を上回るケースが生じる場合に備え、効果的な売却手法の一つとして、マイナス入札の実施を検討しておいたほうがよいと考えますが、総務局長に見解を伺います。  次に、災害時におけるヘリコプターの円滑な運用について伺います。  〔資料提示〕  近年、毎年のように大規模災害が全国各地で発生しています。とりわけ、昨年は、大阪北部地震や西日本豪雨、北海道胆振東部地震など、自然災害が猛威を振るい、各地に甚大な被害をもたらしました。  本県においては、近年、こうした大規模災害は発生しておりませんが、いつ起こるとも限らない災害への備えに万全を期すことが大切です。  近年の大規模災害への対応で印象深いのは、ヘリコプターの活躍です。東日本大震災では、被災状況の把握や被災者の救出救助、物資の輸送、応急対応を行う人員の搬送などで、全国の自治体や消防、警察、自衛隊、さらには民間のヘリコプターが活動したと承知しています。  平成27年の関東東北豪雨で被災した茨城県では、災害発生後の3日間で約130機のヘリコプターが活動し、全体の救出者の3割以上に当たる約1,300名を救出したとされています。  まち全体が水没し、逃げ場を失った被災者を、住宅の窓や屋根の上からヘリコプターで救助する映像は、今なお脳裏に焼きついています。  こうした状況に鑑み、本県としても、大規模災害への備えとして、ヘリコプターの円滑な運用を確保することは、極めて重要な課題であると考えます。  都市化の進んだ本県において、大規模災害が発生した場合、道路が寸断され、交通機能が麻痺するおそれがあり、ヘリコプターの離発着場所をどのように確保していくのか、また、狭いエリア内に多くの要救助者がいる中で、県内外から派遣される数多くのヘリコプターの飛行がふくそうしないよう、どのように調整を図っていくのかといったヘリコプターの運航には、依然として、課題が山積していると感じています。  ヘリコプターを初め、航空機の運用については、専門知識やノウハウ、さらには経験が求められ、先ほど述べたとおり、離発着場所の確保や、円滑な運航を調整するための体制の整備は喫緊の課題であり、このことは、広域自治体である県の大切な役割、責務であると考えます。  こうした中、昨年、県の災害対策本部の中に、横浜市や川崎市などのヘリコプター部隊が連携していくため、ヘリコプターの運用を調整する班が設置されたと承知しています。  そこで、くらし安全防災局長にお伺いいたします。  本県で、いつ発生してもおかしくない大規模災害に備え、災害時にヘリコプターを円滑に運用するための体制の確保が重要であると考えますが、今後どのように取り組んでいくのか、また、警察、消防、県内外からのヘリコプターを初め、自衛隊ヘリコプターとの連携及び訓練の実施についても、あわせて見解をお伺いいたします。  次に、県立高校における性的少数者への配慮について伺います。  〔資料提示〕  昨今、体の性と心の性が一致していない人や、性的指向が同性や男女両方に向いている人といった、いわゆるLGBT、さらには、性自認や性的指向が自分でもわからない人なども含めた性的少数者等についても報道されることがふえてきており、このような状況に呼応する形で、こうした方々に対するさまざまな施策が講じられるようになってまいりました。  こうした昨今の社会背景を踏まえた場合、まさに性自認を含めた発達途上の真っただ中にある子供たちが一日の大半を過ごす学校現場においても、性的少数者に対する配慮を行っていくことが求められています。  例えば、国ではいじめ防止対策推進法に基づき、平成25年に決定したいじめの防止等のための基本的な方針の中に、性同一性障害などに係る児童・生徒に対するいじめ防止などを求める改定を平成29年に行ったと承知しています。  こうした中、報道によれば、福岡県や大阪府では、性的少数者への配慮といった点に加え、性別は選考に必要な情報ではないとの判断により、今年度実施される高校入試から、入学願書や受検票の性別欄を廃止することを決定したとのことであります。  他府県においてこうした動きがある中で、本県の公立高校の入学者選抜においては、受検生みずからが直接記入する願書に性別欄があり、自分の性に違和感を覚えている受検生などにとっては、性別欄に記入することに苦痛を感じることもあるという点を意識しなくてはなりません。  受検生は、中学校3年生というとても多感な時期であり、こうした配慮は今後さらに求められていくものと考えており、できるものから速やかに実施すべきであると指摘しておきます。  しかしながら、単に入学願書から性別欄を廃止すればよいということではなく、生徒が入学した後の高校生活においても、性的少数者である生徒に寄り添った対応が求められていることは言うまでもありません。  今後、生徒本人や保護者の意向を丁寧に把握した上で、必要な配慮を講じるなど、学校全体の取り組みとしていくことが大切です。  また、多感なこの時期に多様な価値観と生き方を互いに認め合い、尊重していくといった多彩で柔軟な思考や感覚を磨いていくことは、極めて重要であると考えます。  そこで、教育長にお伺いいたします。  県立高校において、性的少数者に配慮した取り組みを今後どのように進めていくのか、来年度以降の入学者選抜における願書の性別欄の対応とあわせてお伺いいたします。  最後に、読書手帳について伺います。  〔資料提示〕  県では、子供の読書を推進するため、かながわ読書のススメ~第四次神奈川県子ども読書活動推進計画~(素案)を公表し、パブリックコメントを実施したと承知しております。  この素案で、子供の読書活動を推進するため、具体的な取り組みがさまざま紹介されておりますが、大切なことは、家庭や地域、学校などがそれぞれの役割を果たしていきながら、子供のそばにいる大人が中心となって、子供の成長に応じて読書に親しめる環境づくりや情報収集、情報発信を行っていくことであると思います。  オーストラリア国立大学等の研究者が行った調査結果によれば、16歳のときに自宅に何冊本があったかにより、大人になってからの読み書き能力、数学の基礎知識、ITスキルの高さに比例することが明らかになったとしています。  子供のときに本に触れることは、教育的な利点が多いことは容易に想像がつきますが、この調査に携わった研究チームは、子供たちが、親や他の人たちが本に囲まれている様子を目にすることも大切であると指摘しています。  私も、これまで、スウェーデンのストックホルム市立図書館、オーストリア国立図書館といった世界的にも評価の高い図書館を視察させていただきましたが、壁一面を埋め尽くすほどうずたかく、整然と並べられた数多くの本に圧倒されながら、まさに図書館が知の殿堂、知識の貯蔵庫、民主主義のとりでなどと呼ばれる意味を、身をもって実感いたしました。  昨今、インターネットの普及など社会環境の変化とともに、読書離れが急速に進む今日の社会において、大人が子供に対し、本に親しみ、自主的に読書を行えるよう適切に働きかけができるのか不安を覚えます。  そこで、まずは、大人が率先して読書活動を行い、あるいは、子供と一緒に図書館に出かけたりするなど、子供たちが本に触れ、本に親しみ、本を読む習慣を身につけるためのきっかけを数多く提供していく必要があると考えます。  こうした中、最近では、いわゆる読書手帳が全国の図書館で導入されており、私も、我が会派の山本議員、市川議員と一緒に、関東地域で初めて導入した埼玉県の鴻巣市立図書館を訪れました。  この読書手帳は主に子供向けに導入された例が多く、借りた本の題名や著者などの情報が、銀行のATMさながらに機械で記帳することができるものもあります。この読書手帳は、子供たちにとっては、文字どおり、知識の貯金であり、大人にとっては知の足跡であると言えます。  こうした通帳のような読書手帳の導入により、読書の意欲が高まり、本を読む習慣を身につけるきっかけとなったり、図書館の貸し出し数の増加が期待できることから、専門的図書館である県立の図書館で導入することも有効であると考えます。  当然のことながら、これらの導入に当たっては、機械やシステム等が必要であり、相応の経費を要することは承知しておりますが、既に導入している山口県の下関市立図書館のように、地元の金融機関の協力により実施している例も参考にしながら、例えば、県内企業に賛同をいただいたり、あるいはクラウドファンディングを活用して経費を調達することなども考えられます。  そこで、教育長にお伺いいたします。  超高齢社会を迎えた今日、子供から大人まで、本に親しみ、読書の習慣を身につけていくため、最近、各地で導入されている読書手帳は大変有効な手段と考えられることから、県立の図書館に導入すべきと考えますが、見解を伺います。  以上で、第1回目の質問を終わります。  ご清聴まことにありがとうございました。                               〔拍 手〕  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○議長(桐生秀昭) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) しきだ議員のご質問に順次お答えしてまいります。  初めに、「ともに生きる社会かながわ憲章」の普及推進についてお尋ねがありました。  まず、平成30年度県民ニーズ調査結果の受けとめについてです。  ともに生きる社会かながわ憲章は、津久井やまゆり園事件の悲しみを力に、ともに生きる社会の実現を目指して、県議会の皆様とともに定めました。  多くの県民の皆様に憲章の理念を理解していただくために、全力を挙げて普及に取り組んできましたが、憲章を知っている方がいまだに少ない現状については大変残念に思っています。しかし、ここで歩みをとめるわけにはいきません。今後も引き続き、粘り強く憲章の普及に努めていく必要があると考えています。  次に、憲章の普及啓発に向けたこれまでの県の取り組みの検証と今後についてです。  これまで県は、7月のともに生きる社会かながわ推進週間の集中的な広報、市町村等と連携した県内4地域におけるみんなあつまれの開催や、ともに生きるのパネル展示などを実施してきました。  また、県教育委員会と連携して、県立学校でのポスター掲示や、いのちの授業を活用した憲章の理念の理解を深める取り組みを進めてきました。  こうした中、今後は今まで以上に確実に皆様の心に響く取り組みを進め、憲章の理念の普及にさらに取り組んでいく必要があると考えています。  そこで、県では、引き続きあらゆる機会を捉えて周知を行うとともに、大学や企業、教育との連携をより一層強化していきたいと考えています。  具体的には、県内大学の授業で職員が憲章について講義し、深く考えていただく機会を設けるほか、若い世代向けの効果的な周知方法について、大学生とともに検討、企画し、実践します。  また、包括協定を結んでいる企業などに、社員研修などで憲章を説明させていただくよう働きかけを始めています。  さらに、県教育委員会と連携して、いのちの授業を活用した取り組みをより徹底するとともに、新たにいのちの授業大賞作文コンクールにともに生きる社会部門を設け、児童・生徒への一層の普及を図ります。  あのような痛ましい事件が二度と繰り返されないよう、そして、事件が風化することのないよう、市町村や団体、大学、企業、教育等と連携するとともに、今後とも、憲章の理念の普及に全庁挙げて取り組んでまいります。  次に、児童虐待被害への対応についてお尋ねがありました。  児童虐待は子供の心と体に生涯にわたるダメージを与えるものであり、決して許すことはできません。子供を虐待から守るのは、私たち大人の責務です。  現在、県の児童相談所では、児童心理司が被害を受けた子供の心のケアを行い、児童福祉司が医療機関との調整や受診に付き添うなど、子供に寄り添った支援を行っています。  また、虐待事案を事件化する場合には、子供は警察や検察から何度も被害の話を聞かれ、さらに傷つくことになります。そこで、警察、検察、児童相談所が共同で行う被害事実確認面接を積極的に取り入れ、子供からの聞き取りを一度で済ませることにより、精神的負担の軽減を図っています。  しかし、性的虐待などの場合は、本人が被害を打ち明けられず、また周囲も気づかないために、児童相談所に相談や通告がされない事案もあると考えられます。こうした児童相談所につながらない事案に対応するためには、子供の支援を行うより身近な民間団体等との連携が有効です。  そこで、県では、幅広く子供の声を受けとめるため、そうした民間団体とも連携して支援していきます。  具体的には、民間の相談窓口に深刻な虐待相談があった場合は、速やかに児童相談所に連絡していただき、対応できる流れをつくるなど、日ごろから顔の見える関係を構築していきます。  また、民間団体の中には、医師や弁護士などがメンバーとなり、専門的な支援ができるところもあり、団体の活動が広がることは、子供を守るために心強いものとなります。  そこで、県では、こうした団体とも連携し、団体が蓄積した専門的な知見を児童相談所でも共有させていただき、被害事実確認面接など、職員の支援技術の向上に生かしていきたいと考えています。  県としては、市町村などの関係機関とともに、民間団体とも連携しながら、虐待を受けたすべての子供の支援にしっかり取り組んでまいります。  最後に、聴覚障害者のスポーツ振興についてお尋ねがありました。  来年に迫った東京2020パラリンピック競技大会は、広く障害者スポーツ全体を普及し、理解を促進する機会でもあります。  そこで、県ではこの機会を捉えて、聴覚障害者のスポーツを振興するための取り組みを進めていきますが、まずは、より多くの方に知ってもらうための取り組みについてです。  県では、昨年開催したかながわパラスポーツフェスタに聴覚障害者のパラアスリートも招き、競技の魅力や日ごろ感じている課題等について講演していただきました。  今後も、こうした取り組みを続けるとともに、スポーツイベントを開催する際に、聴覚障害者とともにスポーツを楽しむ体験会も設けるなど、多くの人に理解を深める取り組みを行っていきます。  次に、障害の特性に応じたサポートの充実を図ります。  聴覚障害者がスポーツを楽しむためには、陸上や水泳のスタートの音を視覚的に補ったり、審判の笛を旗を上げることで補うなどの工夫が必要です。  そこで、県の障害者スポーツサポーター等を養成する際に、こうしたサポートに着目したカリキュラムを充実していきます。  また、総合型地域スポーツクラブに対して、サポートの方法を周知するとともに、スタートを光で知らせるライトなどの補助用具を広く貸し出すことで、地域での活動を支援することも検討していきます。  県としては、今後とも、アスリートや当事者団体のご意見を伺いながら、聴覚障害者スポーツの効果的な振興を図ってまいります。  私からの答弁は以上です。  〔総務局長(武井政二)発言の許可を求む〕 ○議長(桐生秀昭) 武井総務局長。 ◎総務局長(武井政二) 総務局関係のご質問にお答えいたします。  県有財産の売却におけるマイナス入札の実施についてお尋ねがありました。  本県では、緊急財政対策に取り組んだ平成24年度以降、未利用県有地の売却に当たっては、早期収入化を図る観点から、建物を残した状態で売却することを原則としています。  この場合、土地と建物とを一体で鑑定評価し、その価格をもとに売却することとなりますが、建物自体に価値がなく、逆にその解体費用が土地の価格を上回るようなケースについては、建物を解体した上で、更地で売却することとしています。  議員ご指摘のマイナス入札は、こうしたケースについて、土地の価格を上回る解体費用相当額を行政が負担することを前提に入札を行うものであり、この方法で売却ができれば、建物解体のための業務負担が軽減されます。  また、除草や不法投棄対策、自然災害発生時の対応など、売却までの間の維持管理に要する費用や負担も抑制できるため、マイナス入札は有効な手法と考えています。  一方で、売却先による建物解体工事の着実な履行をどのように担保するかなどの課題もあるものと認識しています。  今後こうした課題への対応も考慮しながら、未利用県有地の売却を効率的に進めるための手法として、マイナス入札の実施について検討してまいります。  私からの答弁は以上です。  〔くらし安全防災局長(河原知德)発言の許可を求む〕 ○議長(桐生秀昭) 河原くらし安全防災局長。 ◎くらし安全防災局長(河原知德) くらし安全防災局関係のご質問にお答えします。  災害時におけるヘリコプターの円滑な運用についてお尋ねがありました。  大規模災害時、道路が寸断された場合などに、被災者の救出や物資の輸送等をいち早く行うためには、ヘリコプターを円滑に運用する体制を確保しておくことが重要です。  そこで、県は主に三つの視点で取り組みを進めています。  第1は、ヘリコプターの離発着場所の確保です。  県では、市町村と連携し、負傷者の搬送や物資の受け渡しを行える離発着場所の確保に努めており、現在、学校のグラウンドなど、326カ所となっています。  また、全国から駆けつける緊急消防援助隊のヘリコプターの受け入れ拠点の確保にも努めており、現在、自動車工場のテストコースなど6カ所、最大40機が駐機できる体制を整えています。  第2は、ヘリコプターの運用を調整する体制の整備です。  災害時に空からの応急活動を効率的に行うためには、数多くのヘリコプターを適切に運用するための調整が重要です。  そこで、今年度、県の災害対策本部の組織に新たに航空機運用調整班を設け、警察や消防、自衛隊、海上保安庁、さらにはドクターヘリの運用を担う医療機関などが参集し、運用調整を行う体制を整えました。  第3は、実践的な訓練の充実です。  県では、毎年実施しているビッグレスキューなどで、ヘリコプターによる情報収集や救出救助の実動訓練を行っています。  また、昨年は、本県で10年ぶりとなる緊急消防援助隊関東ブロック合同訓練を実施し、大規模災害時における消防ヘリコプターの受け入れ体制の強化につなげました。  さらに、先月実施した県西地域市町との合同図上訓練では、地震により孤立地域が発生した想定で、航空機運用調整の訓練も実施しました。  県としては、引き続きこうした取り組みを積み重ね、災害時における円滑なヘリコプターの運用体制を確保し、大規模災害にしっかりと備えてまいります。  私からの答弁は以上です。  〔教育長(桐谷次郎)発言の許可を求む〕 ○議長(桐生秀昭) 桐谷教育長。 ◎教育長(桐谷次郎) 教育関係についてお答えします。  県立高校における性的少数者への配慮についてです。  これまで県立高校では、性的少数者である生徒が入学する際には、保護者も含め、学校生活での要望などを丁寧にお聞きし、教職員でその情報を共有した上で、トイレや更衣室の使用、制服の扱いなど、必要な配慮を行ってきました。  こうした中、国においても、議員お話しのとおり、性的少数者である児童・生徒に対するいじめ防止などを求めており、特に心身の発達が著しい高校段階においては、より一層的確に対応していく必要があります。  そのためには、当該生徒への個別の配慮にとどまらず、どの県立高校においても、すべての生徒や教職員が性的少数者などの性的多様性への理解を一層深めていくことが大切です。  現在、県教育委員会では、生徒が使う人権教育の教材と教員用の指導案等を内容とする人権学習ワークシート集を作成し、全県立高校に配付しています。今年度中にこのシート集について、LGBTのほか、みずからの性的指向などがわからない方への配慮についても、新たに追加する改訂を行い、その充実を図ります。  そして、新たなワークシート集を活用し、性的多様性やそれを個性として受け入れることなどについて、主体的に学べる授業を展開していきます。  あわせて、ご指摘の本県の公立高等学校入学者選抜における入学願書の性別欄については、現在、性別の記載がなくても受け付ける取り扱いとしていますが、来年度以降については、性別欄そのものを削除いたします。  次に、読書手帳についてです。  多くの知識やさまざまな文化に触れることができる読書は、より豊かな人生を送る上で大切なものと考えています。  しかし、昨年2月に公表された全国大学生活協同組合連合会の調査では、大学生の53%が1日の読書時間はゼロと回答しているなど、昨今の読書離れは深刻な状況にあります。  また、県教育委員会が本年度中に策定を目指している「第四次神奈川県子ども読書活動推進計画」の検討においても、大人の読書習慣の減少が子供の読書活動を推進していく上で課題となっていることが指摘されています。  県立図書館では、例えば文字・活字文化の日に、本のオビからはじまる読書の愉しみと題した記念講演会を開催するなど、読書活動の普及を図っていますが、こうした読書離れの状況を踏まえますと、他の普及方策についても検討していくことが必要です。  議員お話しの読書手帳については、他の公立図書館でも活用され始めており、また、先ほどの推進計画の県民意見募集でも導入検討のご意見をいただいています。  再整備に着手した県立図書館では、今後、県民の皆様の読書活動をどのように推進していくか検討する予定です。  読書手帳についても、こうした中で、その方策の一つとして、図書館利用者のご意見もお聞きしながら検討してまいります。  以上でございます。  〔しきだ博昭議員発言の許可を求む〕 ○議長(桐生秀昭) しきだ博昭君。  〔しきだ博昭議員登壇〕 ◆しきだ博昭議員 ただいま答弁をそれぞれいただきましたが、1点、再質問をさせていただきたいと思います。  冒頭、質問させていただきました「ともに生きる社会かながわ憲章」の普及推進についてであります。  先ほど知事から、今後は、市町村、あるいは教育委員会、さらには学校、企業等、幅広い方々にこうした取り組みを担っていただく、さらには確実に県民の心に届く取り組みの充実を図る、こうした答弁がございました。  そこで、1点、再質問でありますけれども、今、県ではインターネット、あるいはSNS等を通じて、さまざまな施策の情報発信を行っていると承知しています。最近では、私もよくニュースサイトを見ておりますけれども、マグカルについての広告が掲載されることがよくあり、目にしています。  この憲章の普及推進については、折に触れ、粘り強く、周知の取り組みを進めていくことが極めて肝要であると考えておりますけれども、例えば、先ほどの質問の中でも触れました、明日は月命日であります。例えば26日に定期的、継続的にこうしたニュースサイト等に情報発信をしていくことも必要であり、効果的ではないかというふうに考えますけれども、この点について、改めて知事の見解を伺いたいと思います。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○議長(桐生秀昭) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) それでは、再質問にお答えいたします。  「ともに生きる社会かながわ憲章」の普及に当たっては、これまでも県のたよりやホームページの活用など、年間を通じて継続的に憲章の普及に取り組んでまいりました。  今後、憲章の普及をさらに加速させるため、これまでの取り組みに加え、適切なタイミングを捉えまして、県が有するさまざまな情報発信ツール、SNSを活用した継続的な発信、これを充実させてまいります。  答弁は以上です。  〔しきだ博昭議員発言の許可を求む〕 ○議長(桐生秀昭) しきだ博昭君。  〔しきだ博昭議員登壇〕 ◆しきだ博昭議員 あらゆるツールを有効かつ適切に活用しながら、「ともに生きる社会かながわ憲章」の普及推進に力を入れていただきたいと、改めて要望しておきたいと思います。  児童虐待について要望いたします。  昨年、全国の警察が虐待の疑いがあるとして児童相談所に通告した子供は実に8万104人、初めて8万人を超えたということであります。今年は我が国が子どもの権利条約を批准して25年という節目になりますけれども、こうした事態を受け、国連の子どもの権利委員会も国に対し、児童虐待の対策強化を求めています。  夢と未来の担い手である子供たちの命を守り、あすを育んでいくために、民間団体も含め、あらゆる主体と連携協力していくこと、このことを要望しておきたいと思います。  そして、聴覚障害者のスポーツ振興について、パラリンピック大会が来年に迫ってまいりました。この聴覚障害者のスポーツ振興についても理解を深めていただく、そうした取り組みの一層の充実を図っていただきたいと思います。  そして、県立高校における性的少数者の配慮についての取り組みでありますけれども、来年度から、入学願書から性別欄を削除するということでありますけれども、そういった周知についても徹底を図っていただきたいと思います。  また、新たに改訂するワークシート、これについても有効に活用し、そうした理解が深まる、こうした取り組みの一層の充実に期待していきたいと思います。  時間がありませんので、最後に、一言申し上げたいと思います。  冒頭ご紹介したミケランジェロのように、私もこれまで以上に広い視野を持ち、大局を見失うことなく、その一方で細部にもこだわり、これからもさまざまな課題に向き合い、ボーっと生きてんじゃねーよとチコちゃんに叱られないよう、より一層の緊張感と当事者意識を持ち、引き続き努力していくことをお誓いして、私の質問を終わります。  ご清聴ありがとうございました。 ○議長(桐生秀昭) お諮りいたします。  本日の質問はこの程度で終わり、次回、引き続き質問並びに質疑を行いたいと思いますが、ご異議ございませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(桐生秀昭) ご異議がないと認めます。  よって、本日の質問はこれで終わります。   ─────────────────────────────────────── ○議長(桐生秀昭) 以上で、本日の日程は終了いたしました。  次回の会議は、明26日午後1時に開きます。  本日はこれで散会いたします。まことにご苦労さまでした。                  午後4時54分 散会...